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ブライト・ライツ.ビッグ・シティ

ブライト・ライツ.ビッグ・シティ

ブライト・ライツ.ビッグ・シティ

作家
ジェイ マキナニー
Jay McInerney
高橋源一郎
出版社
新潮社
発売日
1988-01-01
ISBN
9784105205010
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ブライト・ライツ.ビッグ・シティ / 感想・レビュー

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hit4papa

作家志望の主人公のやるせない日々が描かれた作品。主人公は、雑誌の文芸担当を希望しながらも、ファクトチェクを行う調査課に勤務しています。女性上司に疎まれ、嫌がらせに耐えながら神経をすり減らす毎日。夜な夜な明け方までパーティに潜り込んでは、酒とクスリ漬け。逃げられたモデルの妻を忘れられず、ついつい過去を反芻するのでした。都会に押しつぶされそうになりながら出口が見いだせない主人公。とはいえ、洒落た会話のおかげで、深刻さは緩和されています。いかにもなアメリカの街の風景が、独特のタッチで活写されていのも良いですね。

2023/08/02

踊る猫

ものすごく悪く言えば「ママが死んだ? で? 大人になれ!」な話。だがもちろん、そんな読み方では本書の真価を楽しめまい。「きみ」という言葉でこちらに語りかけてくる著者は、実は真っ先に最初の読者としてこの小説を読める立場にある。ならば「最初の読者」として、愚直かつ誠実に自分の中の声と対峙しようとしたとは考えられないか。むろんこの作品が私小説というわけでもないのだろうが、自己内での真摯な問いかけや語りに耳を傾けそこからこちらの心にも突き刺さる言葉を引き出したその功績は(高橋源一郎の優れた訳もあって)見事だと思う

2022/08/17

toson

主人公の職業が校閲(調査課という名前だけど、内容は校閲に近そう)なのが気になって読んでみた。若者の繊細さと自暴自棄さを描く感じ、どことなくサリンジャーに似ていて、とても好きになった。 https://tosons.net/book/brightlights_bigcity/

2018/09/16

Ecriture

一流出版社に勤め、モデルの妻を持ち、哲学・スポーツ・世界各国の話題に通じつつも実のところ何にも関心を持たず、誰でもない「きみ」。輝かしい街もブランド・ファッションもドラッグも誰でもない人間を作り上げ、妻の顔すら判別不能にしていく。母とのつながりを思い出し、まばゆいブライトライツから目を覆って顔を判別不能にするレイバンのサングラスをパンに交換した「きみ」はもう一度事物との関係性を作り直していく。「きみ」の弟のマイケルは、ホールデンにとってのフィービーであり、80年代のサリンジャーという異名もぴったりである。

2014/03/28

Hirouch

訳者あとがきにある通り、80年代に入って台頭してきた新人達と同じような特徴(リアリズムを採用し、自己主張が少なく、読んでいるとひどく静かな感じがする、現在形を多用する)持っていると感じました。そこらへんの小説が個人的に好きなので楽しめました。

2022/06/20

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