ランサム
ランサム / 感想・レビュー
hit4papa
舞台は、1977年の京都。英会話スクールの講師をしながら、空手を学んでいるガイジン ランサムの日々が描かれた作品。本音と建前のような日本人の気質を、上手く捉えています。上達を目指し日々精進を続けるランサムでしたが、尊敬する師範の醜態や陰湿な部分を目の当たりにし、心が揺れ動きます…。ヤクザの親分に言い寄られ助けを求めるマリリン、そしてランサムを憎み執拗に闘いを挑むドゥヴィトーが絡み合いながらストーリは進みます。なんとも激しい結末に、こんなのありか!仰天してしまうのですが、どうでしょう。すこぶる後味悪し…。
アッコ
70年代の京都を舞台にしたアメリカ人の物語。著者は実際に日本に滞在していたことがあり、その体験を元に書かれている。前作「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」とは時代も場所も異なっているが、父親との確執や、自己の救済など共通したテーマが見られる。武道(空手)を極めることによって自らの救済を図ろうとするが、まるで運命のいたずらのように、終末への道を歩んでいく。あとがきによると、ランサムには「贖罪」の意味もあるそうで、この物語の結末を暗示している。
2010/10/30
勉誠出版営業部
同僚から借りた、ジェイ・マキナニーの『ランサム』を読了。1970年代の京都を舞台に、アメリカ人青年・ランサムが見たものとは・・・。著者本人が2年間日本に滞在していたということで、外国人作家にありがちなステレオタイプの日本ではなく、しっかりと日本が描かれている。衝撃のラストは賛否両論だろうな・・・。
2014/01/24
感想・レビューをもっと見る