トゥルー・ストーリーズ
トゥルー・ストーリーズ / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
実際に身の周りで起きたことを書き綴ったエッセイ集。まさに「事実は小説よりも奇なり」という事象が作家の下に起こっている。いや、そういう見逃しがちな事を掬い取れるからこそ、作家なのかもしれぬ。本書の半分以上を占める「その日暮らし」が中々、ヘヴィーだ。一方、作家の腕一本で食べていけるまでが紆余曲折があったからこそ、優しい視点があるのだなと感じました。良いエージェントが見つかって本当に良かった。だが9.11に言及した文章を読むと、その後に起こった事を優しい作家がどう受け取ったのかに胸が痛む。
2019/05/21
なかりょう
ポール・オースターの訃報に接して再読。短いエッセイも良作揃いであるが、作家として世に出る前の生活を綴った「その日暮らし」は読み応えがあった。ニューヨークへの思いの籠った味わい深い小編も幾つか。 『オラクル・ナイト』以降の未読品も読み進めていきたい。
2024/07/11
還暦院erk
図書館本。『吉野朔実は本が大好き』で知った作家さん初読み。HOBOとかMason-Dixon Lineなど調べなきゃわからない事柄も多かったけれど(恥)、面白くてほぼ一気読み。野球カードゲーム失敗譚とか(笑)。p228「天候ほど人々を平等にするものはない…知らない人と天気の話をするのは、握手して武器を脇へ置くこと…それは親善のしるしであり、私もあなたと同じ人間なんですと認めるメッセージである。」このヒューマニズムに拍手!オースターさんを読むきっかけを作ってくださった故吉野朔実先生に改めて感謝。
2016/11/04
アルクシ・ガイ
私にとってオースターは「面白いけど、最後の一匙が足りない作家」でした。でもこのエッセイはイケた。生きる勇気をもらえました。
2016/09/21
A
小説の中でしかないのだと思われそうな不思議な出来事が筆者の人生には実際に起きてきたみたい。人生は不思議だと思わされる。また、1日1日を必死に生きてきた筆者の心情が重苦しく伝わった。
2023/12/11
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