ナショナル・ストーリー・プロジェクト
ナショナル・ストーリー・プロジェクト / 感想・レビュー
metoo
誰でも一つくらいある、とっておきの話。アメリカ中から集められた話を、オースターがラジオで朗読し、その中から本に纏められた。クリスマスの日の切ない話も多かった。【思い出す営み】父が亡くなりクリスマスを祝う余裕がない11歳の少女。クリスマスの喧騒を避けるように父が働いていた店のそばに行ってみると売れ残りのクリスマスツリーが捨てられていた。一番形のいいのを選び半ば引きずって家路につく少女の心はクリスマスでいっぱいになっていた。ラジオでオースターが語るこの話はさぞ人の心を打ったことでしょう。ゆっくりと再読したい。
2017/09/09
帽子を編みます
ポール・オースターのラジオ番組のために全米から募り選ばれた実話短編。いろいろなお話に心が動かされました。O・ヘンリーの原稿の話、どの話だろう、私は興味津々です。死んだ人が残すメッセージの話が多くて、この不思議な体験、遺された人々が生きていくための糧になるような気がします。家族の章、一人の強すぎな個性に振り回される話、これが次代に続くことなく解放され生きることを願います。私には重い話が多く訳者あとがきのおすすめのようにまとめて読むことは出来ませんでした。感じ浸る、共に笑い泣く、感情が動かされる数日間でした。
2024/09/29
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
全米のリスナーからラジオ番組に寄せられた体験談をポール・オースターが編纂したアンソロジー。179の一般の人々から寄せられた多種多様な物語は、10のカテゴリーに分類されている。この中の「1949年、クリスマスの朝」という一篇を読む機会があり、職場なのに涙が出ちゃうくらい素敵な話だったので借りてみた。物語の数が多いので、好みに合わない物語もあるけれど、全体として面白い趣向だし、アメリカ社会をよく感じられる1冊だと思う。
2014/03/15
maja
悠然と街を歩いてる鶏の話から始まる数々の物語は、 ポール・オースター企画でラジオ番組でリスナーに募ったもの。「ラジオ・ジプシー」「母の時計」「1945年8月」「50年後」「サウスダコダ」「パラレルライフ」等などが印象に残って、放送波に乗って流れて漂うのを想像する。流れてきたら聞き入るに違いない「数の神秘」。見えない糸で引かれるように時を跨いで胸元に落ちてくる「青空」のエピソードが好き。再読だ。
2024/10/18
hnzwd
全米の普通の人々から物語を集めるというラジオ番組の企画『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』の投稿をまとめた本。ジャンルごとにまとめられてますが、知り合いと雑談していて出てくるような話で埋め尽くされています。何話かは感じるものもありましたが、、運命的な話等はそもそもの考え方が少し違うのかな、という印象でした。国の大きさの違いや人種の違いもあるのかなと。アメリカに住んでいる人だとまた違う感覚になるのでしょうが。
2022/07/08
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