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わがタイプライターの物語

わがタイプライターの物語

わがタイプライターの物語

作家
ポール・オースター
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2005-01-28
ISBN
9784105217105
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わがタイプライターの物語 / 感想・レビュー

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どんぐり

タイプライターが時代の遺物となって久しい。この本は、タイプライターでたくさんの書物を著してきたオースターとオリンピア・タイプライターとのむつまじい関係を描いている。サム・メッサーの絵は、タイプライターに顔があるかのように、様々な表情を見せる。痛めつけられて、すたれて、見捨てられてゆくタイプライターへの愛着が伝わってくる。

2014/06/01

キジネコ

サム・メッサーの40枚の絵とポール・オースターの小文。作家の愛する道具オリンピア社製タイプライターはモノではなく 「わが」という尊称を冠する友人としての地位を築き デジタル化の大きな波をも ものともせず 約束された未来永劫の為のインクリボンも 周到に確保されています。多分 作家の最後の作品まで この道具から生み出されることになるのだろうと 想像できることが とても微笑ましい。作家の友人が描く 油彩と幾つかのイラストで構成された本書の味わいが オイラを幸福な気分にしてくれます。

2013/08/16

ぼむ☆

オースターが友人から購入した西ドイツ製の中古タイプライターへの愛着を綴った一冊。オースターの素晴らしい作品は全てこのタイプライターから生まれる。しかしこのタイプライターに最初に惚れ込んだのは油絵画家の友人サム・メッサーであった。サムは遊びに来るたびにタイプライターを眺めて絵を描く。オースターがいない時でもだ。タイプライターへの愛を文章で綴ったオースターと、油絵という形にしたサム。文章だけでなく絵も本当に素晴らしい。その文章と絵が詰め込まれたこの本を柴田元幸氏が翻訳。なんて豪華なキャスティングなのであろう。

2022/08/29

長谷川透

タイプライターと共に9400日を過ごしてきた。時の流れが変化を強いろうとも、私は我がタイプライターと共に生きて行く。わたしはフィクションを書く。書く中で私は意図せずとも、変わって行くのだろう。私の中の変化は、我がタイプライターに伝播するのかもしれない。キーを叩き、紙にタイプされる言葉と共に。我々は同じ過去を共有し、同じ未来を共有もしている……。好むと好まざるにかかわらず。私は書く。私の目の前にあるこいつはカタカタと音を立てる。いつもの聞き慣れた音楽を奏でる。こいつの声が涸れるまで、私はこいつと生きていく。

2013/03/01

ウィズ

この絵本を読んでまずサム・メッサー氏の絵が好きになった。そしてこの絵本を読んでもともと好きだったポール・オースター氏のことが、ますます好きになってしまった。

2015/04/28

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