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オラクル・ナイト

オラクル・ナイト

オラクル・ナイト

作家
ポール・オースター
Paul Auster
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2010-09-01
ISBN
9784105217143
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オラクル・ナイト / 感想・レビュー

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優希

有名な作品は多いのに、今まで読んだことがありませんでした。上質な愛の物語で、読書の喜びを感じました。物語の中で物語が重なり合いながら、影響しあって行く世界観。幾重もの層の中に埋まっていくような感覚が心地よかったです。註釈も語りになっているので、何冊もの本を読んでいる感じでした。何が現実なのか曖昧になっていきます。様々な物語を行き来している印象で、魅惑の世界に迷い込んだようになります。これが読む楽しみと言えるでしょう。

2015/11/06

どんぐり

オースターの物語内物語。これまで読んだなかでは、しっくりこない作品だった。物語の本線なのか支線なのか、また違った支線なのか途中からごちゃごちゃしてきて混乱した。作家の頭のなかにはいくつもの物語があり、それが枝葉を広げて次から次と出てくるような感じだ。チャンという男が経営している店で見つけた黒、赤、茶、青の4冊のノート。作家が青いノートを買って書き始めると、他人の言葉を口述筆記しているみたいに言葉が湧き出てくる。ニックの物語は、「夢、悪夢、抑圧を解かれた思考、それらと同じ透明な言語」で書きとめられ、突然書庫

2016/04/20

市太郎

物語内物語というのはオースターの常套手段だが今回はそれがより複雑化している。といって読みにくいのでもなく特に混乱しない。単に主人公の書く小説の中の小説というように何段か積み重なっている感じだ。各話のつながりは一見したところ何もないが実は密接に非現実的な部分で結びついている。主人公は青いノートを手に入れそれに魅了され小説を書いている間、己の存在が現実世界から消える。彼はどこに行ったのか何も言及されていない。言葉は力を持つ。悪い事を考え言葉にして構築するとその物語は現実となる。明るい言葉で世界を埋め尽くそう。

2014/06/23

トラキチ

柴田元幸訳。『ブルックリン・フォリーズ』のように楽しくは読めないけど物語の緻密さはこちらに軍配があがります。 読者の背中を押してくれると言うより、人生の奥の深さを教えてくれる一冊だと言えそう。 作者得意の物語内物語が展開され、それぞれの人物に作者の人生観が反映されているのでしょう、登場人物をメモしながら読みました(笑) ラストの物悲しさは特筆もの。いつまでも読者の脳裏に焼き付いて離れませんが、主人公であるシドニーを中心として読み進めるとやはり彼の再生の物語だったのだと納得のいく読書に帰結して本を閉じれるの

2012/08/19

たー

やはりオースター(+柴田)は面白い。多重構造を巧みに用いる点やあるちょっとしたことをきっかけに人生が転落していく展開など、共通といえば共通なんだけど、そんな理屈は別にどうでも良い。

2010/11/08

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