自閉症だったわたしへ
自閉症だったわたしへ / 感想・レビュー
ポルトン
人は時に自分自身と向き合う内観の時間を持つ。彼女の場合、人生の大半をそれに当てて過ごして来たのではなかろうか? 理解出来ない「世の中」とそこに住む「普通の人々」は彼女には彼岸の世界の住人として映っていたのだろう。「世の中の人々」にとっては彼女こそが「彼岸の住人」だったのだろうけど… 好奇心が旺盛だったドナは美しいもの不思議なものに関心を抱き続けやがてそれは「世の中」や「普通の人々」にも及ぶ。 激しい葛藤や恐怖を乗り越えつつ自身の中の複数の人格と折り合いをつけ「世の中」に一歩ずつ踏み出して行くドナの冒険
2017/07/16
はるな
自閉症をもつドナ・ウィリアムズが、幼少期からの出来事や「自分の世界」について綴った書。ドナの家庭環境(主に母親)が壮絶。悲しいし、憤りもわいてくる。もし幼少期から愛されていれば、もっと早いうちから「世の中」に適応できるようになったのでは…と思ってしまう。でも彼女は自分の努力によって少しずつ適応していったみたい。それは素晴らしいことだと思う。私も「自分の世界」と「世の中」とのずれを感じることがあるから、彼女の姿に勇気づけられた。自閉症の人にも、そうでない人にも、ぜひ読んでもらいたい一冊。
2018/12/26
リタ
私は常々「世界はふたつある」と思っています。ふたつっていうのは、何も生と死の世界だけを言っているわけではなくて、ある物事・感覚・心などに対して世界はいつもふたつの側面を持っているんじゃないかなってことなんです。「わたし」と「あなた」の世界もそう。ドナは自分の「ことば」でそのふたつの世界のことを、私に教えてくれました。今まで曖昧にしか捉えられていなかった自閉症の心の内側。その繊細で鋭敏な感覚は、世界の深さに直結しているように想えました。私はひとりの女性として、ドナのことが大好きです。
2014/10/19
おいも
この本を読んで、自閉症の人にもわたしたちと同じところがあるし、わたしたちにも自閉症の人と同じところがあるのだと思いました。彼女のことばが的を得ていて、胸をつかれることが度々ありました。なによりも、彼女が自分自身と正面から向き合い、ひたむきに闘う姿に感動しました。
2015/06/15
出世八五郎
外傷的なものならいざ知らず内傷的なものは手に負えない。はたまた逆か?理屈なんてものもうどうでもよくなった。若きウェルテルの時期に読み感動なく。感動なく。憐憫もなかったかな。戦え!アルジュナ。
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