小鳥たち
小鳥たち / 感想・レビュー
どんぐり
ヘンリー・ミラーの愛人であったアナイス・ニンの官能小説13篇。似たような性描写でエロティカにバリエーションは少ないが、女性たちがみな飽くなき性の探求者として登場する。こんな小説を1970年代に書いていたなんて、賞賛に価してよい。翻訳は矢川澄子さんだが、訳文にきっと苦慮したにちがいない。矢川さんに関する評伝があれば読んでみたいけど、誰か書いていないかな。
2021/01/13
タカギ
美貌の女流作家アナイス・ニンが、愛人でもあった作家ヘンリー・ミラーのすすめで、ある老人コレクターのために巨額の報酬と引き換えに書いた、13のエロティックな短編。矢川澄子訳。本当に素晴らしくエロティックなので、食事時や人目のある場所での読書はお勧めできない。でももし本書を読んでいる人を見かけたら深く頷いてそっとしておいてほしい。全編官能に満ちているが、私は特に『砂丘の女』が凄いと思う。装丁も素敵で、私は文庫本が欲しいけど、売っていない。涙。
2019/06/02
あ げ こ
つきまとう陰翳のイメージを払い、濃艶な白さの中で奏でられる歓びの、なんと切実で、伸びやかなことか。言葉はまるで、生そのものを象るかのよう。艶やかに息づく曲線の滑らかさ。淡く濡れ、熱情に誘う肌の柔らかさ。衝動を奪うよう、色濃く香る匂いの鮮やかさ…自らの性と、相手のそれを満たすことのほか、そこにはなにもない。愉悦を求め、与えること以外の欲得や思惑はなにも。硬い輪郭を備えた思いの一切を要さぬが故に、濁りもなく、貪欲ささえ醜くは映らず、ただ可憐に、ひたむきに光る。熱く、だが優しげに舞う言葉、その快さに蕩けて行く。
2015/07/07
eriko*
官能小説の短編集だけど、抵抗なくよんた。表現が美しい。^_^
2017/04/26
En
装丁の美しさに思わず借りたけど、こんなエロティックな内容だとは。けれど透明感があり飾り気のない文章がとにかく美しい。そして、物語で描かれているくらいの時代(1940年代?)に魅力を感じた。
2014/07/24
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