その名にちなんで (Shinchosha CREST BOOKS)
その名にちなんで (Shinchosha CREST BOOKS) / 感想・レビュー
遥かなる想い
アメリカで暮らす若いインド系夫婦と その息子の物語である。 ゴーゴリと言う名の少年の成長を通して、 異国で生きる風景を描く。 本にかけた 父の想いが ほんのり 心に残る。 ゴーゴリのいくつもの恋と 結婚 そして… 家族の絆の深さが いかにも 著者らしい、そんな印象の作品だった。
2019/08/03
pino
(自分用メモ)図書館 読み終えるのがもったいないくせに先へ先へとページを捲る手が止まらない。返却日までじっくり味わう。手元においておきたい本。感想は再読したときに。
2020/02/25
(C17H26O4)
インドから米国に移住した家族の物語。ロシア人作家の名前にちなんでゴーゴリと名付けられた息子の葛藤が、淡々とした短い文の隙間から滲み出してくるようだった。家族に訪れる様々な出来事がゴーゴリだけでなく、母親、父親、妹、恋人それぞれの視点から描写されることで、両親の価値観を否定したいゴーゴリの気持ちと、簡単には割り切ることのできない血ともいうべき深い思いが浮き彫りにされている。親の思いも然り。それらは移民ならではのものでもあろうが、普遍的な家族の感情にも思えた。親の子への思い。子の反発。理解。見事という他ない。
2018/12/06
アン
祖国のインドを離れ、アメリカの生活習慣に馴染めない両親と、アメリカで育ちインドの伝統的な考え方に戸惑う子供達。子の名前を焦点に、視点を変えながら価値観の違いを浮き彫りにし、移民国家においてのアイデンティティーに触れています。幾度と繰り返され、人生に深く関わる名前。この物語では、名付けの由来が知らされず、子が苦悩するものになってしまいましたが、命名は両親の子へ抱く愛情の出発点となり、家族とは安らぎを覚える存在でありたいと思います。同じ世代の子供を持つ母親として、心に静かに残る作品となりました。
2018/12/23
bianca
しみじみと時間を掛けて読みたい作品。インド系移民ガングリー家の歴史で、主軸は長男のゴーゴリ。インド系なのにロシア系の名が付けられ二世としてアメリカで生まれ育つ彼。どこにも属さず何者でもない感覚と文化の間を揺れ動く。まるで自分の息子の誕生から三十代までを8ミリ映画で観ている様。時に成長が眩しくて微笑んだり、はらはらと涙が流れたり。現在の自分は母目線でも子供目線でも多くを共感した。人の一生は膨大な時間の流れからすれば、一瞬の炎、大海の一滴。いずれ自分が愛し、愛された人々が消え、誰からも名前を呼ばれなくなる(続
2014/11/18
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