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睡蓮の教室 (Shinchosha CREST BOOKS)

睡蓮の教室 (Shinchosha CREST BOOKS)

睡蓮の教室 (Shinchosha CREST BOOKS)

作家
ルル・ワン
鴻巣友季子
出版社
新潮社
発売日
2006-10-28
ISBN
9784105900571
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睡蓮の教室 (Shinchosha CREST BOOKS) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

水蓮という女性を通して、文革時代の中国を描く。クラス 最下層に属する 貧困の友 張金との 友情が メインの展開だが、背後に見え隠れする 毛沢東を過剰崇拝する おかしな中国の 時代風景が 興味深い。 二人の友情の行く末は、ある意味 この時代の中国らしい…そんな印象の作品だった。

2020/01/31

藤月はな(灯れ松明の火)

世界は決して平等ではない。風見鶏のように時勢を読まなければ、皆が即、密告者に変わった朝令暮改の文化革命を過ごした蓮。労改(インテリやブルジョワが投獄された監獄)でインテリ達から思想を吸収した蓮はクラスで蔑まれている金をクラスのトップにしようと考えるが・・・。自意識が強い文章にちょっと、辟易しつつ、潔癖さや愚かさには懐かしさを感じる。どんなに頑張っても階級が今のままなら、皆から蔑まれ続けるという事を知りすぎた金が行き着いた先が只々、辛すぎる分、自分の過ちも美化しすぎる蓮のエピローグに愕然とするのは酷だろうか

2017/05/29

星落秋風五丈原

前半印象に残ったのは、収容所に暮らす個性的な大人達である。現実の歴史を教える事が、果たして水蓮のためになるのかと悩みながらも、真実の学問を教える事に力を尽くす秦先生。「“人に教えられてきたこと”と、“自分が知っていること”には、たいへんな違いがあるのだ。(中略)あるできごとの情報を自分であちこちから集め、自分なりの結論を出すことはできる。そこまでしてようやく、“その歴史についてわたしが知っているのは、これだけです”と言えるのだ。(p73)」

2006/12/04

やまはるか

文革の中での生活を果てしない抑圧を押しのけて成長しようとする少女の瑞々しい目で語っているが、少女の生き方と言うより、労改で出会った年老いた知識人たちの生き方が印象的である。最下層に属していてどんなに努力してもいじめから逃れられなかった金が学友たちに仇を取ろうと一人蜂起して警察の介入で爆死したり、主人公の水蓮が校長に押し倒される終盤は何かの暗示かと思いながら読んだが全体からみて異質と感じた。

2018/11/02

ndj.

14歳の少女の強烈な自意識に半ば辟易とし、脚色はされているのであろうが文革のばかばかしさに呆れつつ。多感な年齢の子らのむき出しの残酷さがよく表現されている。が、この終わり方はない…だろ…。

2012/03/25

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