奪い尽くされ、焼き尽くされ (Shinchosha CREST BOOKS)
奪い尽くされ、焼き尽くされ (Shinchosha CREST BOOKS) / 感想・レビュー
優希
アメリカでの生活をポートレートのように切り出した短編集だと思いました。ファンタジックで小気味の良いパンチのある作品集ですね。
2021/07/20
藤月はな(灯れ松明の火)
「保養地」はHANNIBALやFARGO、VOICES、『アンチクライスト』と言い、本当に欧米では鹿は不吉とか破滅の象徴なんだな・・・。「大事な能力を発揮する人々」は優秀な弁護士だったが、認知症を患ってから嫌な所が剥き出しになってきた父への苛立ちが静かに湧き上がってきてはスッと冷める描写が上手い。「ヒョウ」は現在の変身譚ならば幸いだが…。「目に映るドア」には父が自分が売春婦だと蔑んでいた女の部屋から呼びかけたのを観た娘は如何に?と気になって仕方ない。『悲しみよ、さようなら』みたいな「野生のアメリカ」が好み
2016/09/04
James Hayashi
デビュー短編集。子気味良いパンチの効いた短編でアメリカの若手として注目されているのは頷ける。短編なのでストーリー的にはどうなのかハッキリわからないが、素晴らしく胸を打つ表現がいつくかあった。原文がいいのであろうが、訳もいい出来だと思う。表題作よりも「茶色い海岸」と「保養地」がいいと思った。賞も受賞されている。
2017/10/03
かわうそ
絶望的な状況のその先にある小さな希望かと思わせてやっぱり失望みたいな話ばかりで、個人的には「苦くて美味い」と「苦すぎてまずい」のギリギリの線。
2016/05/28
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
短編集。表題作はヴァイキングのいる時代のノルウェーが舞台だが、その他は離婚、虐待、貧困で進退きわまった人々が、身を丸めてやり過ごそうとしているような、リアルな作品。ほっこりするようなオチはどこにもなく、しぶとく生きる姿にウケを狙うこともない。ジャック・ロンドンにも似た非情な作品。
2016/06/13
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