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タイガーズ・ワイフ (Shinchosha CREST BOOKS)

タイガーズ・ワイフ (Shinchosha CREST BOOKS)

タイガーズ・ワイフ (Shinchosha CREST BOOKS)

作家
テア オブレヒト
T´ea Obreht
藤井光
出版社
新潮社
発売日
2012-08-24
ISBN
9784105900960
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タイガーズ・ワイフ (Shinchosha CREST BOOKS) / 感想・レビュー

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キムチ

マジック・リアリズムという手法、今でも承継されているのか否かは別として、私の理解度は低いレベル。バルカン半島の匿名の国の女医が勤務中で知る祖父の突如の死。それと並行して進む祖父の「2つの話~トラの嫁・不死の男」よくある 数本の糸が縦横の織りなす文様の内から湧き上がる筆者からのメッセ。それは寓話的ともいえるし、永久の祈りともいえるし。日本にいる日本人の私にしたら 理想とするところは判るものの、深い共感があったとは言えなかった。「祖父を理解する為に必要なことの全てが繋がって行く」トラの嫁・不死の男・・

2020/07/19

「戦争が始まる前は、人々はわたしたちの同胞だった、国境なんてただの冗談で、ときおりの形だけのものだったし、車や飛行機で、徒歩だって好きに超えられた。」愚かで、馬鹿げた、人間が権力をもった時から、覚めることのない悪夢を見続ける。そして気が付いた時には、かけがえのないものを、全てて失っている。

2024/09/23

にゃおこ

飲み込んで、お腹の中の温度変化とかざわつきとか余韻を感じるだけにしたい。私的に読後にアウトプットできないタイプの作品。

2023/05/18

キジネコ

これは「死の書」 虎は絶対的であった筈の「個の力」の象徴、そして死神から死ぬことを許されなくなった不死の男は「境界」の案内人。物語の半ばまで積み上げられるエピソードが この寓話に どういう役割を果たすのか?感じ続けたのは「困惑」でした。それが中盤から まるで巨大なカラクリが担う動きの複雑さの綿密な準備が整った様に噛み合い始めます。鳥肌が立ちました。一行一句の無駄もなく進むストーリーは気がつけば結末さえ求めない永久運動。これを読む前と後で世界が変わりました。示されたモノは才能などという生易しいものではない。

2013/08/05

りつこ

ものすごく好みな題材なのだがちょっと読みづらくて苦戦した。語られる内容が激しいのに語り口が非常に静かで言葉数が少ないせいか。不死身の男とトラの嫁の摩訶不思議な物語と、今までの暮らしが破壊され国が分断される戦争の現実。何が現実で何が現実でないのか分からないけれど、それが謎に包まれた祖父の生きた世界で、少しでもそれを理解しよう近付こうとつとめた孫の物語だ。戦火の中不死身の男と食事をするシーンがまるで映像を見たかのように頭に焼き付いている。

2012/10/09

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