分類という思想 (新潮選書)
分類という思想 (新潮選書) / 感想・レビュー
テッテレこだち
構造主義生物学という面から見た分類の方法論についての科学エッセイ。序盤で構造主義の考え方について説明した後、構造主義の立場から、生物学におけるさまざまな分類の手法の紹介と批判を行ったもの。古い本なのでちょっと表現に時代を感じるが読みやすい方に思う。人間の認識方式と科学的実在のすり合わせの説明、ちょっと現象学みたいだった。
2024/05/28
ymazda1
この本とは関係ないけど、小学生のときに図鑑を見てて、サメとイクチオサウルスとイルカは似てるのに、なんでおんなじ仲間じゃダメなの?みたいな疑問を抱いて以来、こういった本をたまに読むと安心してしまうようになってしまった。。。
あだこ
物事を理解して秩序立てようとすると分類はせざるをえない。だからこそその方法や基準の選択には最新の注意を払わなければならない。なぜなら現状や直感とあまりに相性が悪い分類がされてしまうと、それ自体が日常と縁遠いもの、机上の空論になってしまうからだ。ときどき?な箇所はあったけれども、アイロニックな語り口も相俟ってワクワクさせてくれる。
2009/09/26
Kumo
読了したが、まだあまり消化していない。「自然分類」や「原型」など、著者独特の言葉の用法が多く、解りづらかった。様々な分類学派を紹介しながらも、分類は特定の時間断面に対する行為である、という発想は何処にも触れておらず、化石種や祖先種の扱いで議論を複雑にしている印象があった。科学的実在を追い求めるあまり、時間を越えた普遍性に囚われているような気がする。分類学がそこまで「科学的」な代物だとは思えない。自然言語による分節(必然的に地域生物相しか扱えない)を科学的分類に援用することもあまり理解できない。
2017/02/01
maple
生物の分類の主要な方法と理論が概観できた点では読む甲斐あった。みにくいアヒルの子定理や分節の恣意性から全ての分類をとりあえず人為分類と割り切るのも面白く、納得できる視点だった。ただ筆者がより良い分類に、人の認知パタンに合致することを重視している点は腑に落ちない。(加えて文章がとても読みづらい。多分、分類の王道理論をきちんと理解していない自分が読むに、アクが強すぎる)
2016/03/24
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