漱石とその時代 3 (新潮選書)
漱石とその時代 3 (新潮選書) / 感想・レビュー
ダイキ
図書館。『吾輩は猫である』から『野分』まで。朝日入社直前。
2015/01/29
Gen Kato
「(前略)婚姻というこの本来不安定な結合を、人間存在の普遍的条件と看做すべき理由はない。男女のあいだはおろか、親子のあいだについてすら、結合はほとんど偶然的である」「漱石にとって、血縁と婚姻がいずれも偶然の過程であって、確固たる制度ではないとすれば、彼の前で当然世間というものは崩壊せざるを得ない。それは虚偽であり、まやかしに過ぎない」…江藤淳のこの読解はみごと。病気のせいとはいえDVおやじの側面があった漱石に共感せざるを得ないのは、この「家族嫌悪感」が自分にも通じるものだからなのだ、と改めて気づかされた。
2015/04/07
讃壽鐵朗
江藤淳は文芸評論家ではあるが、一方明治時代の政治、人物等に関する著作も多い。この二つの要素が上手くかみ合って、正に題名「漱石とその時代」が物語るように、漱石の生き様及び作品の評論とその時代の動きが並列的に述べられている。つまり、読者は漱石の人物、作品を理解すると共に、明治という時代の流れをもくみ取ることが出来るわけである。ただし、一般の読者には文芸評論的な部分はかなり難解である。
Shoichi Nemoto
人間関係 苦労
2023/12/24
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