マシアス・ギリの失脚
マシアス・ギリの失脚 / 感想・レビュー
紅はこべ
日本人が書いたのかと驚かされた点では、佐藤亜紀の『バルタザールの遍歴』と並ぶ。随分後になって、作者が福永武彦氏のご子息と知って、再び驚愕。親子揃って心を動かした唯一の作家。
月をみるもの
なぜか登録してなかったので、いまさらながらハードカバーで。。。 https://bookmeter.com/reviews/79997481
2019/04/07
風に吹かれて
1993年刊。新潮社の「純文学書き下ろし特別作品」の一冊。箱から本を取り出すと、表紙には、影山徹が描いた人口七万人の架空の国家「ナミダード民主共和国」の島のひとつが生命感あふれる色彩で描かれている。それだけで、この物語への想像力が刺激される。権力をどう維持していくかという現実的な政治の世界がある一方、200年前、島から初めてイギリスに渡った亡霊リン・ボーとギリの対話、予知能力のある女性との関係などをとおしてナミダートというひとつの世界を現出させている。再読だが、もっとも好きな池澤作品だ。
2015/07/09
hakootoko
小国の独裁者の話なので、陰謀、暴力、野望。みたいなんかと思いきや、そういうところあるし、きびいしい内容もあるのだけど、全体としてかわいい。チキンラーメン食べながら読みました。
2021/06/22
ohchan-smile
南の小さな島の大統領の失脚の話。孤独な大統領の生い立ち、政治の黒い部分、日本という国を外から見る感じ、神の祀りごと、個性豊かな登場人物、美しい南の島の風景。どれをとっても丁寧でしっくり読めました。美しい。池澤作品は、美しい絵を見ているように読めるなぁ。
2014/04/22
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