謎解き ヒエロニムス・ボス (とんぼの本)
謎解き ヒエロニムス・ボス (とんぼの本) / 感想・レビュー
徒花
よかった。ネーデルラント(オランダ)で活動していたルネサンス期の画家ヒエロニムス・ボスの絵画20点をとりあげながら、ボスがどのような画家だったのか、どうしてこのような不思議な絵画を描いたのかを説明する一冊。大判で、作品の細かい部分をズームアップして紹介してくれるので、ボス独特の細かいかきこみ、特に異形の怪物たちがよくみれてなかなかよかった。地獄絵図が描かれているんだけどどこかコミカルで、むしろ可愛らしい悪魔や怪物たちはやっぱり好きだなあ。
2020/09/27
KAZOO
中学生の頃から絵画や仏像が好きでした。最初はレンブラント、ゴッホ、セガンチーニ、フェルメールなどでしたが最近はブリューゲルやこのボスの絵が気になってきて読んで見ました。なんか当時としてはSF的な題材のような気もします。あるいは日本における仏教画の地獄絵と同じような感じなのでしょうか?解説もかなり詳しく、カラフルでわかりやすく解説されていました。今後実物を見てみたい気がします。
2018/03/18
アキ
Boschは、ドイツ語読みでは「ボッシュ」となるが、近年はオランダ語の発音である「ボス」で統一されるようになったらしい。一家代々画家で、生涯生まれ故郷のスヘルトーヘンボスで活動し、おそらく1450年頃の生まれと定かではない。これ程幻想的な絵画が、敬虔な信者だったフェリペ2世のコレクションになったのは意外ですが、真作と見なされる20作品のうち7点もフランドルではなく、スペインにあるのも王室で保存されていたおかげなのかもしれません。ユーモラスな絵もあるが、「最後の審判」の地獄の様な現生の煉獄の絵画が凄まじい。
2024/11/05
シャトル
まったく未知の画家だが、ある雑誌記事に真作が現存20点!と書いてあり、非常に興味が湧いた。「ボス」は住んでいたオランダの地名に由来する通り名らしい。20点の絵画をカラーで収録し、個々の解説も丁寧。この一冊でボスの概要と見どころが把握できるというスグレモノ。今秋開催の「プラド展」の目玉として来日する「愚者の石の切除」はボスの作品中で最小サイズ!
2015/09/22
白玉あずき
ボスは敬虔なキリスト教徒であったとの事、大変失礼いたしました。てっきり仮面をかぶったアンチ・クリストに違いないと面白がっていたのに、そんな陰謀論まがいの説は成立しそうになかった・・・・しかし、描かれるキリストや天使たちよりも、やっぱり悪魔や魔物のほうが圧倒的にインパクトと存在感があるのよ。美しき天よりも、汚濁に満ちた現世のほうがよっぽど描く甲斐があるというか。このような「気色悪い」絵が結婚のお祝い品であったというのは、私的にはなかなか想像しにくい。時代背景、文化思潮はどのようだったのだろう。
2020/03/08
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