怪人 江戸川乱歩のコレクション (とんぼの本)
怪人 江戸川乱歩のコレクション (とんぼの本) / 感想・レビュー
kinkin
冒頭乱歩氏の孫であたる平井健太郎氏による思い出。家族との写真をはじめ氏が収集した本、人形、カメラ、マジック用道具、帽子他、抽斗の中などが紹介されていた。氏の住んでいた屋敷はいかにもミステリー作家らしい佇まい。そして本の最後は近藤ようこさんの「お勢登場」という描き下ろし漫画。氏のオマージュというかこの漫画だけでもこの本の価値があると思った。図書館本
2018/01/16
さらば火野正平・寺
ご存じ江戸川乱歩のお宅訪問本。芳年の無惨絵の様な秘蔵コレクションばかりではなく、普段使っていた日用品も数々出てくる。何の変哲も無い日用品も、江戸川乱歩というフィルターを通せば何とも言えぬ幻想的なロマンを抱きそうになる不思議。乱歩の小伝付きなので良い入門でもある。おまけに書き下ろしで近藤ようこが『お勢登場』を漫画化。以前、池上遼一が漫画化したものを読んだ事があったので、比較する気持ちで読む。近藤ようこの描くお勢さんは苦悩と諦念が見え、切ない気持ちすら感じる。バラエティに富んだ良い本であった。さすが新潮社。
2018/03/24
鷺@みんさー
基本的に乱歩マニア向けの図説的なのだが、冒頭のコラムが乱歩の孫が書いてるので、のっけからずっと「人のいいおじいちゃん」の印象が頭を離れないまま読み終えてしまった(笑)乱歩の偏執狂的な収集癖が整然と並ぶのを見つめて、彼の世界に入り込んだ気分になるもよし、貴重な「人間・乱歩」のエピソードを楽しむもよし。横溝正史や夢野久作から送られた人形、写真マニアの乱歩が残した貴重な写真たち、乱歩を巡るそうそうたる作家の相関図、そして大正時代からの、乱歩作品の意匠も面白い。「お勢登場」の漫画も必見。
2018/04/11
とびほびこび
小学生の頃、図書館で初めてシリーズを読破したのは明智小五郎シリーズだった。コレクション内にずらりと掲載されている同シリーズの表紙を見ると、当時のことが思い出され心が躍った。それ以外の作品は子供心に見てはいけないと思っていた(笑)。今改めて江戸川乱歩が愛した古めかしくも味わい深い品々から幾多の作品が産み出されたのだと思うと感慨深いものがあった。正気と狂気の中庸・・・ふとそんな言葉が浮かんだ。
2018/03/04
更紗蝦
江戸川乱歩の住まい、膨大な書籍が保管されている土蔵、遺品などがビジュアル的に楽しめる本です。小学校の図書室で読んでハマったポプラ社版の『少年探偵江戸川乱歩全集』の表紙が17冊しか載っていないのが惜しいです。できれば46巻全部載せてほしかったです。巻末には近藤ようこ先生による『お勢登場』の描き下ろし漫画が収録されています。
2019/08/01
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