写楽・考 (新潮エンターテインメント倶楽部SS 蓮丈那智フィールドファイル 3)
写楽・考 (新潮エンターテインメント倶楽部SS 蓮丈那智フィールドファイル 3) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
式家(しきけ)文書に記されたからくり箱と「べるみー」と書かれた洋人画。いったいこれが、どうタイトルの写楽に繋がるのかと。カメラ・オブスキュラにフェルメール。これは基になる学説が有るのでしょうか。それとも北森説?教務部・狐目の男の名前も披露され、いじられミクニと共に助手に加わった佐江由美子と脇も充実。裏表紙見返しの言葉が深い『表層に囚われては、未知を射抜くことはできない。理性に拘泥しては、あり得べき真実に至ることはできない。想像を放棄しては、歴史を覆すことはできない』
2012/02/29
Yuna Ioki☆
923-126-5 シリーズ第三弾。短編集で物足りなかったが表題作は面白かった。他の方の感想を見ているとシリーズ外で読んでおくべき作品があったようで残念。
2015/04/04
フリスビー
民俗学ミステリ、第3弾。新しい助手、佐江由美子がレギュラーになったり、事務員の狐目さんが本名を明らかにして謎解きに関わってきたりと、いろいろ新しい展開になっています。その分那智の支配力が薄れてきた感じで、ちょっと寂しいですね。全体的に最後の表題作が美味しいところを全部持って行った感じで、他の話はかわいそう。それにしても「仮想民俗学序説」、すごいですね。民俗学の新たな一歩になりそう。こういう探究を忘れないのが、このシリーズの好きなところです。
2013/08/02
もぐ
図書館本。本作もあっという間に読み終えてしまった。良作すぎです。前作は三種の神器に纏わる作品。本作は依代の変換、主客の逆転、破壊される神、と、神性の成立ちや変容がテーマとなっている。表題作の写楽・考はどちらかといえば物語のための作品。仮想民俗学、狐目の担当者、ミクニの焦り、次作も絶対に良作であろう。楽しみすぎて、ちょっと間を空けたくなってしまう。
2021/12/26
れいぽ
クールビューティな那智先生がステキ。考古学にまつわる考察と事件が不思議に共鳴して極上の知的ミステリーに仕上がっています。
2010/03/30
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