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異人たちの館 (新潮ミステリー倶楽部)

異人たちの館 (新潮ミステリー倶楽部)

異人たちの館 (新潮ミステリー倶楽部)

作家
折原一
出版社
新潮社
発売日
1993-01-01
ISBN
9784106027314
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異人たちの館 (新潮ミステリー倶楽部) / 感想・レビュー

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naginoha

根底を流れるミステリアス感、西湖に映る富士山のように実像と虚像が交錯するストーリー。伏線の回収…というか伏線の説明もそつが無く、ミステリーとして読めば充分面白い作品だと思います。 ただ私、天邪鬼なもんで、ミステリー作品に野暮なこと言っちゃいますが、ミステリーの仕掛けが凝れば凝るほどそれに反比例するように人物の描写がキモくなるのが若干苦手です。この作品の場合は、女性は男に都合がよすぎてキモいし、男はサイコ過ぎてキモいし、人あっけなくどついたり殺したりしすぎですよ(あ、元も子もないこと言ってもた) 3.5/5

2020/10/27

keroppi

「2018本屋大賞」の「超発掘本」に選ばれていたので、どんな本か興味が湧き早速図書館から借りてきた。モノローグ、年譜、インタビュー、小説、様々な叙述が入り乱れ、謎が謎を呼ぶ。叙述トリックは、最後に説明されるが、まあ、これだけ複雑なストーリーをよく組み立てたものだ。そこから浮かび上がってくるのは異常な愛…。一気に読んでしまいました。

2018/05/03

geshi

富士の樹海で方位磁石が効かず行方不明とか、ユキのキャラクター造形とか、手垢のついた古さが引っかかって文章に入り込みにくかった。作中作、インタビュー、年譜、様々な方式を組み合わせて読者を惑わすテクニックは流石で、十指に満たないメイン登場人物の誰もが怪しく見えてくる。終盤で独立していたそれぞれの文体が侵食していって、現実感が揺らぐ展開に酩酊する感覚。ミステリアスな雰囲気づくりのための描写が多く、どんでん返しにうまく結び付けられていないのが肩透かし。

2017/11/09

とも

★★★★ある売れない作家に、失踪した息子の自伝をゴーストで書いて欲しいという依頼が舞い込み、彼の生涯を追っていくうちに時折り不可思議に謎にあたる、というメインストーリー。そこに、おそらく樹海で遭難したであろうひとの独白記事や息子の生い立ちが年譜形式で盛込れ、関連した人たちからのインタビューはそのまま口語で語られる。そこに不自然な死や失踪あり、謎の追跡者あり、地下室の不審者ありと謎が謎を呼び、全体的にはホラーチックな雰囲気も醸し出し、更にはスピード感が半端ない。とにかく寝食忘れてしまう作品である。

2018/05/02

楽駿@新潮部

川崎図書館本。初読み作家さん、かつ、結構、古い作品ですが、とても面白かった。謎が謎を呼び、次なる謎を呼ぶ。これは、こっちが犯人かなって思いながらも、また新たな伏線に翻弄される。かなり分厚い本ですが、寝不足になっても読みたくなる。小説の中の小説と、それを取り巻く人々の動きを、交互に交えながら描いているところも、視点が次々変わり、引きつけられる。他の作品も読んでみたくなりました。「赤い靴」の歌が、耳に残ります。お勧め!

2018/04/15

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