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臓器農場 (新潮ミステリー倶楽部)

臓器農場 (新潮ミステリー倶楽部)

臓器農場 (新潮ミステリー倶楽部)

作家
帚木蓬生
出版社
新潮社
発売日
1993-05-01
ISBN
9784106027338
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臓器農場 (新潮ミステリー倶楽部) / 感想・レビュー

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ソーダポップ

題名から臓器移植の本だと分かり、すぐに読み始めた。無脳症児。脳に欠損があるままに生まれてきた新生児は、人間ではなく物なのか。物であるならば臓器を取り出して、生まれつき障害のある子に移植する方が良いのではないか。それは論理的に正しい事なのか。読み進めていくうちに、病院の金からみ犯罪が出てきて、いやいやそれは、人道的にも論理的にもダメでしょうという事になってきた。最後は無脳症児の論理的な是非が曖昧なままに完結してしまった感があった。論理的は別にして、臓器移植サスペンス娯楽小説で楽しめました。

2022/05/15

そうたそ

★★★★☆ 「無脳症児」を作り出そうとする病院。無脳症児とは脳のない子供のことで、ほとんどは胎内で死んでしまうか生まれてきても一週間以内に死んでしまう。脳がない子供に命はないのだから、臓器提供として有用すれば、産んだ方も提供される側も利益あるだろういう理論である。一見合理的であるが倫理的に許されるのか、というかなり踏み込んだテーマに挑んだサスペンスである。重厚な内容も気にならないスピーディーな展開、医療的な内容を難しく感じさせない平易な文章で一気に読んでしまえる。現実でももしや…という怖さがある。

2018/01/08

愛 飢男

病院の特別病棟で無能症児を意識的に生産しその臓器移植をしていると噂を耳にした新任看護師が真相を追っていくという医療サスペンス。人間の倫理感かそれとも医学の進歩が優先なのか? 600頁を越す長編で近未来にはこのような事が実際有り得るという気がするがそのインパクト度が不足している。読後感としてはいささか消化不良かな? あくまで読み物の域でホラー小説って感じ。病院を舞台にした「閉鎖病棟」がありますが断然そちらの方がオススメ。

2015/08/09

Chiyo

無脳症児を意識的に作り産ませて、臓器を患者に移植する…法外な金銭の授受と倫理的な問題がある事をひた隠しにする病院に対し、新人看護師が事件の核心に近づいていく。長編ながらスピーディーな展開だった。著者が医者だけに医療の描写にはリアリティがある。無脳症児からの臓器摘出自体は実際にもあった事例であり、倫理的問題としてずっと議論されている。何をもっていのちとするか。臓器移植には常に倫理的な問題がつきまとう。それを取り囲む人々が最もブラックな形で利用しようと企む。影の動きを暴こうとする人々の行動がやや過剰気味か。

2018/06/12

depo

図書館リサイクル本。流石、帚木先生、面白かった。

2024/04/17

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