海は涸いていた (新潮ミステリー倶楽部)
海は涸いていた (新潮ミステリー倶楽部) / 感想・レビュー
はつばあば
この本に浸っている間、いっぱい書きたい事が浮かんでいたけれど、読了した今、痺れる!シビレタ!の一言。勝負師ならではの文章と切れがいい。切なくて哀しくて・・ダチ公は兄弟より大切な者。でも継父の血を受けた妹は更に愛おしい。自分に流れる血をもって妹を守る。白川さん、遅まきながらファンになりました。ロマンチストでギャンブル好き(お顔の方はうちの爺様の方が品があるけれど^_^;)。この方の云わしめる、夢をみることと祈ることで「これから死ぬことが始まる生もある」とハける言葉が良い。もっと白川さんの本を探してみます
2015/10/24
ぴ〜る
「夢見ることと祈ること、この二つを持ち続けるかぎり人間として生きて行ける」生きているのにそれすら持ち続けられない運命…これから生きることが始まる生と、これから死ぬことが始まる生。自分の生が死ぬことへの始まりだと知った時の生き様…。読んでいてもとてもせつなくなった。子供の頃の逃げ道のない人生から抜け出せない事への苦しさ…私にもほんの少しだけどわかる。それでも生きていれば笑える日がくると信じ続けている。哲郎にもそんな日がきてほしかった。
2015/11/03
lefty58
良かった。面白かった。感動した。少し予想された結末だったし、ストレート勝負の展開だったが、それでも感涙してしまった。脇役ではあるが、茅野の存在感がいい味を出していたし、佐古をはじめ他のキャラも立っていた。白川道の作品は多く読んだが、これは秀作。
2014/01/21
たに
★5 都内に高級クラブを所有する伊勢商事社長、伊勢孝昭36歳、彼には殺人の前科があったが、事件は迷宮入りしていた。しかし、孤児院時代の親友が犯した新たな殺人がその過去を呼び起こし、警視庁 佐古警部に迫られていた。そんな折、伊勢はヤクザ同士の抗争に巻き込まれ…天才音楽家の妹と友人を同時に守る為、伊勢は最後の賭けに出た。 ハードボイルドの王道を行く、これぞ白川道という一冊だった。もう新刊を読めないのが心より寂しい。最後は予想出来たが、救われる道も見てみたかった。馨は幸せになれたのだろうか。
2017/02/11
水浅葱
悲しいのに、読後感は晴れやか。芳賀(伊勢)の生き方に胸が締め付けられる。佐古が西地に言ったセリフにグッときた。
2010/03/15
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