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時代小説の楽しみ 5

時代小説の楽しみ 5

時代小説の楽しみ 5

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1990-07-01
ISBN
9784106028052
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時代小説の楽しみ 5 / 感想・レビュー

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山内正

訊き合わせました寄合いなんかないと他の店が こういう女だ外に恥を晒け出す真似をする お加奈さんと出掛ける積りでしょうと 私一人で出掛けますと八幡様の祭礼に 三月も前から約束してたが 一度は頭を下げ謝った事もあった あ加奈は嫁より器量は劣ってるが 茶室の潜戸からお加奈が永代橋が落ちたんですよと四ツ半過ぎに もの刻限なら橋を渡ってしまってるはずだ 当てが外れたんじゃ死んで貰いたかったんじゃ私だって店の事位は 嫁に取って代わる本心が見えた  橋止めがあったんです旦那様 手代が川を探すぽっかりと内儀の顔が浮んだ

2022/10/04

山内正

船を使わず八幡市川小岩千住と来た、歩いても六里余り おそのは薄い布団で深い息をした 神田鍛冶町と相部屋の夫婦が  鎚屋の弥太郎が江戸で当てでもあるのかと聞く  女房を寝取られてね本気だったよ女房は 何故行かねえたかが六里 騙され旅籠で働く事になってね  喜助と漁師で八つも下の男があばずれと一緒にと、無理だよやっぱり  おそのさんの気立てのいいのは知ってるよ 江戸へ行かねえかそうすりゃ此処と別れられる あたし橋の下で暮すようになっても側にいるよ

2022/06/06

山内正

二十九歳年の割に老けて見えるおけい 奉公先から手代宗助と飛び出し 賭場に行くようになる亭主 借金で転々と店を変え今の料理屋に 浪人の客が酒を呑みながら折詰をと 仲間の女が浪人がいないと 他の客が居場所は知ってると 高窓からあの折詰と位牌が見える 思わず中に入り女の子を引離し 次の日から惣菜を包み両国橋を渡る 十六年前に父を討たれ敵討ちの旅に 十年達妻も死に国へは帰れずいた 行季から仇討免状と願書をおけいに 見つかった 遅くに奉行所役人が見事果たしたと 知らせに 相討ちでござった この八重を育てよう

2021/09/22

於間抜新吾

なにげなく山本周五郎の「こんち午の日」を読んだらしみじみとよかった。図書館本。貧乏にもみえがある、と得意先のおかみさんから、諭され「はっ」とするというくだり、まさに市井図会。感じ入った。

2021/08/01

山内正

喜平は炬燵で娘お京は今日の商い話を縁談は断って当てがあるからと 豆腐売りの信吉さん五年見て来ました、間違いない人です でもかみさんが居るかも 店で小さな櫛をかみさんにと買った 近所の人がちっちゃなかみさんがと 今出掛けておりますと十才位の娘が 名は加代と 差配さんに聞いて本当なんですか ここの婿に兄ちゃんがって 手塩に掛けた娘に親を捨ててでも 嫁に行きたいと 十一才の分別ですよお前さん 二人を貰いましょう育てましょう

2020/10/02

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