ギャンブル依存とたたかう (新潮選書)
ギャンブル依存とたたかう (新潮選書) / 感想・レビュー
臨床心理士 いるかくん
ギャンブル依存・病的賭博について精神科医によって書かれている。専門書のような固さはないが、ギャンブル依存の理解と対策の現状を平易な文章でわかりやすく書かれた啓蒙書。初学者や「もしかしてギャンブル依存かも」という人や周りにそういう人がいる人にとっては、新たな知見をもたらす好著である。
2014/04/25
kinkin
ギャンブル依存とは病気であること。それを治すための主治医は、本人であること。日本には推定2百万人のギャンブル依存者がいること。なにより巨大な産業となったパチンコは、行政的にはギャンブルと定義されずあくまで遊戯という位置づけであることを知り、改めてギャンブル依存の深刻さを知ることができた。
2014/02/25
キムチ
依存症の世界は他岸のモノが考える以上に根が深い。帚木先生ファンなので医学的にどうさばくかを知りたく読んだが、サクサク読める。分かり易く、論評が明快。とはいうものの、アル中同様「本人の問題」という回答は確実だ。
2011/09/06
Baron
この本読んでると、「日本マジでやばいんちゃうか?」と思う。 200万人もいるって…認知症老人の150万人よりも多い数だよ? しかも、完全に野放しどころか、パチンコ業界は拡大・推進されてる一方で、ギャンブル依存症に対しての対策も皆無。 さらに精神医学界もギャンブル依存症に興味がなく、国民のほとんどもこの病気について知らない…。 依存症は普通の病気と違い、周囲が世話を焼けば焼くほど症状が悪化する病気である。その基本的なカラクリも啓蒙せずに、これだけパチンコが蔓延している現状というのは恐ろしいことだと思う。
2014/03/25
みなみ
2004年の本。現実には、昨年は国会でカジノ法案が安直に決まってしまった。依存症に対しては依然として偏見が強い(ギャンブルに限らず覚せい剤もだ)気の持ちよう、甘え…精神主義を克服することが解決につながっていくのではないだろうか。冒頭に登場するパチンコ依存の主婦のエピソードは戦慄する。こんな地獄への口がそこかしこに開いているとは…最後は治療にかかわってよかった。
2017/10/21
感想・レビューをもっと見る