核時代の想像力 (新潮選書)
核時代の想像力 (新潮選書) / 感想・レビュー
おやぶたんぐ
随筆、ではなく、“想像力″をテーマに行われた連続講演録。50年以上前でありながら、その本質はそのまま現代の課題となる。演者が当時30代前半だということに改めて驚嘆せざるを得ない。語りの中では、社会全体、他人に対する想像力(イマジネーション)と言葉の重要性が幾度となく繰り返される一方、共感や共同体については基本的に言及されない。代わりに(?)出てくるのは、肯定、否定を問わないコミュニケーションである。
2023/06/19
発起人
現在の視点で批判することはたやすいが社会変革・民主主義へのコミットメントは不変 ─激動の1968年に大江健三郎が行った講演録
2012/11/30
que
今読んでも十分刺激的で面白い。
2012/05/23
@第2版
1968年の全11回に渡る連続講演の記録。以前のエッセイと比べて読みやすく、論理構成も幾分解りやすかった。大江健三郎の思想・エッセンスが限りなく濃縮されてい、文中に個人的に引いた下線が他のどの作品よりも群を抜いて多かった。原爆、沖縄問題を下地に、想像力の有効性を力強く訴える文章「核兵器による戦争に抵抗しうるとして、そのためにまずなにが必要かと考えますと、(中略)核戦争とはどういう悲惨なものかということを日々、想像する力をもちつづけているほかにはない。(中略)その日本人が核戦争の悲惨を具体的に記憶しつづける
2020/02/11
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