「社会的うつ病」の治し方 (新潮選書)
「社会的うつ病」の治し方 (新潮選書) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
これは名著。だって鬱じゃない人も読んだ方がいいと思わせるのだから。近頃私もメンタルが弱っているので有益だったが、元気な人も読めば必ず弱っている人の力になる事ができる。星野源に『くだらないの中に』という名曲があるが、弱っている人といかに他愛の無いくだらない話ができるかが大切だと本書を読んで空想した。心が弱っている時に、変わらず対等に話してくれる人は、それだけで嬉しいのだ。斎藤環の本は先日読んだひきこもりの本もそうだったが、具体性があって、当人にも家族にも優しい。こういう先生がいる世の中は捨てたものじゃない。
2020/03/11
どんぐり
抗うつ薬が次から次に発売され、認知行動療法をはじめとする様々な治療法が開発されている。それにもかかわらず、なぜかうつが社会に蔓延し患者はいっこうに減らない。これについては以前読んだ井原裕氏の『うつの8割に薬は無意味』にもあったが、本書でも「つくられたうつ病、薬漬けの精神医療の問題」として取り上げられている。著者の斎藤環氏はひきこもりを専門とする精神科医であるが、「ひきこもりもうつ病も、周囲からの不適切な対応によって悪化しやすい」とし、環境調整の重要性と同時に人間関係における「人薬」や「活動」といった対人刺
2016/05/20
harass
精神医療で患者を治すには薬だけではなく、人との付き合いを通じての治療が必要であると、ひきこもりを専門に扱う精神科医の著者は語る。社会に触れ合うことがうつ病、ひきこもりなどの心の病を良化していることを例としてあげ、その方法と注意点を論じる。家族以外の他人に出会うことが重要だという。薬になる人間関係「人薬」というものについてなかなか興味深く読めた。人間とは社会的な存在であると、あらためて納得。良書。
2017/02/26
ころこ
「ひきこもり」対応の専門家の著者が、同様に新型(社会的)うつ病にも人間関係の活用が大切だと論じています。本書は東日本大震災直後に出版されています。著者は東北出身で、当時は積極的に震災による社会の変化に対する発言を行っていました。現在のコロナ禍において、著者の発言はまた注目されています。日本社会が危機になると著者に聞いてみようとなるのは、本書においても人間関係に非常に鋭い視線を向けていることに因るのではないか。「自粛」は新型うつ病の様なものではないかとして、立ち直りにヒントを得ることも出来ると思います。
2021/04/10
ヒデミン@もも
『分裂』白黒をつける。グレーゾーンがない。敵か味方か。好きか嫌いか。 「白か黒か」しか知らない、というのは「未熟さ」の問題神田橋條治「発達障害は、発達します」
2016/10/15
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