「男はつらいよ」を旅する (新潮選書)
「男はつらいよ」を旅する (新潮選書) / 感想・レビュー
おさむ
渥美清さんが逝去されてからはや20年超。毎週、BSジャパンで映画が放送されているせいか今でも御存命な気がします。寅さんマニアの著者が、全国のロケ地を巡った旅行記は、寅さんシリーズの本質を見事に探り当てています。失われてしまったローカル鉄道やバス、風情ある街並みといった日本の原風景が「動態保存」されている。そして、市井の人々が持つ義理人情もそれぞれのシーンに刻まれています。全48作品に端役で出演していた谷よしのという女優さんの存在は初耳でした。これから観る時にチェックしてみよう。
2017/06/25
零水亭
①写真・地図がもう少し多ければ…、②木曽街道、長野県の奈良井宿で泉鏡花「眉かくしの霊」の紹介がなかった😢は残念でしたが、それらを補って余りある名著。それぞれのロケ地での映画中の名シーンの紹介だけでなく、ロケ地のお食事、鉄道、ゆかりの文学作品も紹介されていて、読んでいて引き込まれました。 「あとがき」に「男はつらいよ」シリーズの魅力について、著者川本さんの想いがよく伝わってくる部分があるので、以下に引用します。 ↓
2024/01/07
mymtskd
映画の中で、寅さんの赴く先にはいつも懐かしくそして美しい日本の風景が見える。「男はつらいよ」は旅の映画であるとともに、今はもう見ることができない日本の風景の記録映画でもある。あの風情のある街はどこだったのだろう、あの鄙びたローカル線と木造の駅舎はどこだったのだろうという答えがこの本の中にある。
2020/01/02
まさにい
寅さんの旅に憧れる人は多いと思う。僕もその一人。30年以上前、学生の時に、寅さんを気取って高知までは飛行機で行き、そこから電車(まだ国鉄の時代)に乗って、四万十川中流の土佐大正まで行く。当然泊まった宿は、商人宿。しかし、寅さんのようなドラマはなく、四万十川のほとりを一人歩いているとオニヤンマが悠々と飛んで行ったり、沢蟹が何百と出てきたりという自然との触れ合いが中心であった。つくずく寅さんの旅かできる大人になりたいと思ったものだった。今もこのような旅は出来ないのだろうなぁ。
2018/02/01
さとむ
独り旅好き、しかも鉄道の旅好き、そして寅さんが好きな僕にとっては何ともうれしい本。寅さんが訪れた土地はどれも魅力的。個人的には愛媛県の大洲がよかったな。今度の旅は五島列島の予定だけど、本書を読んで奄美大島もいいなーと。それにしても山田洋次監督は偉大ですね。
2018/10/13
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