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ごまかさない仏教: 仏・法・僧から問い直す (新潮選書)

ごまかさない仏教: 仏・法・僧から問い直す (新潮選書)

ごまかさない仏教: 仏・法・僧から問い直す (新潮選書)

作家
佐々木 閑
宮崎哲弥
出版社
新潮社
発売日
2017-11-24
ISBN
9784106038181
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ごまかさない仏教: 仏・法・僧から問い直す (新潮選書) / 感想・レビュー

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南北

京大工学部から仏教研究(特に律の研究)に転身した佐々木閑さんと中観派の立場に立つ宮崎哲弥さんとの対談形式で仏・法・僧のそれぞれについて対談した本です。仏教とは「病院」のようなもので信じたい人が信じればいいという佐々木さんの見解にはなるほどと思いました。また、佐々木さんが木村泰賢の見解を重視しているのも面白いと思いました。最新の研究も含めて紹介されているので、そうした本を丹念に読んでいけば仏教に対する理解も深まるのではないかと思います。時に中観派の立場から暴走しそうになる宮崎さんも読みどころの1つです。

2018/10/15

yutaro13

仏教学者と評論家の対談本。仏教入門とあるが、まったくの初学者には向かないかと。仏教学者の佐々木氏はともかく、宮崎氏の仏教への知見の深さに驚いた。梵天勧請や龍樹の評価など、ふたりの見解の相違が面白い。特に宮崎氏は自称「初期仏教ー中観仏教一貫論者」とあって、龍樹への入れ込み方が半端ない(笑)。本書後半、佐々木氏による「テーラワーダ歴史原理主義」批判で名指しで徹底攻撃されている藤本晃氏は、先日私が訪問した誓教寺の住職。藤本氏による佐々木氏への反論は『部派分裂の真実』所収。興味を持った方はそちらも一読ください。

2019/04/13

えも

これは面白い! 釈迦自身の教え、つまり思想の本質とそれを広めた手法について、二人の仏教者が対談でプラグマティックかつシステマティックに説きおこしてくれる▼ていうか宮崎哲弥が仏教者であるとは知りませんでした▼面白いけどかなりマニアックなところまでいってるので、雰囲気を味わうだけの部分も多くある。あらかじめ「仏教思想のゼロポイント(魚川祐司):これも面白い!」を読んでいたので少し助かったな。

2018/02/03

trazom

この本は、とてつもなく面白い!「ごまかさない仏教」というタイトルも意味深である。勿論、ごまかさずに仏教を論じるという意味だろうが、一方、大乗仏教のような「ごまかした仏教」が蔓延っていることへの挑発という含みもあるのだろう。仏教を、宗教という枠組みとして捉えるのではなく、「「自己と世界の関係」を根本的に組み替えるための「思考―実践の体系」」だと考えるという宮崎さんの視点が、この対談を見事に刺激的なものにしている。佐々木閑先生が高名な仏教学者であることは承知していたが、宮崎哲弥さんの造詣の深さには恐れ入った。

2018/01/10

no.ma

対談はとても面白くまた勉強になりました。お二人とも仏教者です。立場こそ違いますが、断滅の恐怖から仏教に救われたという共通点を持ちます。中観派の宮崎哲弥は、日々の糧を摂るように、空気を吸い、水を飲むように、毎日仏教を心身に入れるといいます。中観派の祖である龍樹は、言語こそが苦の淵源である。苦を滅ぼすには言語によって仮構された自己を滅ぼすしかないとしました。存在しなくなることへの怖れは、そもそも現在も存在していないという真実を悟ることで消えるのです。

2024/10/26

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