高畠素之の亡霊 (新潮選書)
高畠素之の亡霊 (新潮選書) / 感想・レビュー
かんがく
最近、書店で著者の顔を見かけるがその作品は初めて読んだ。分厚い本だが、内容は繰り返しが多いためすぐに読めた。人間に対する性悪説的な認識をもとに、その悪を抑えるために最も強大な悪として国家という暴力装置を用いる国家社会主義の考え方を唱えた高畠。『資本論』の訳者でもあるため、マルクスの思想と、レーニン主義や無政府主義などの思想の理解も進んだ。今後、マルクスと柄谷行人に挑戦していきたい。
2020/11/16
Happy Like a Honeybee
労働者を生かしながら搾取する構造を維持しなければ、資本主義は存在しない。 佐藤優氏の書物で触れられる宇野理論であるが、そのルーツは高畠素之の思想にあった。 数冊の書物から高畠氏の真髄を抽出し、それを現代人に問う佐藤氏の姿勢。 一流と二流の知識人の違い。 今生きている全ての人も、いつかは消え去り塵となっていく儚き存在。 著書を後世に残せる人物も一部の知識人に与えられた特権だろうか。
2018/07/18
ゆうきなかもと
停電のときに読んだ本。電気がないと読書が捗ることがわかった。戦前の国家社会主義者高畠素之の思想を解説した本。高畠素之の名は、昭和の陽明学者である安岡正篤の伝記などで、その名を目にしてから気になっていた。『資本論』を日本で初めて翻訳した思想家。同志社の神学部中退という経歴を持っている人物。 つまり高畠素之は、キリスト教と資本論がクロスオーバーした存在だと言える。著者である佐藤優がキリスト教と資本論をバックボーンに持つ人物なので、高畠素之に興味を持つのは当然である。著者の熱心な読者は読んでも良いと思う。
2019/09/10
元よしだ
読了~ すごい長かったです 著者→「高畠さんは、マルクスの傑出した解釈者である」 大変、たのしかったです。 以下引用 著者自身がフロマートカという神学者を研究テーマに選んだのではなく、既に幽明境を異にしてテキストを通じてしか知ることができないフロマートカの方が著者を惹きつけたのである。著者は実在主義には、まったく魅力を感じなかった。人間の救済は、実在を掘り下げることによっては不可能だと、直感的に思ったからだ。それだから、神の啓示によって人間の実在を破壊するバルトやフロマートカの啓示神学に魅力を感じたのだ。
2018/07/03
元よしだ
『この不寛容の時代に』の宿題に答えるため 再読~~ 宿題『高畠素之のエゴイズム観について』 『高畠素之の悪の認識について』でした この問に答えるのに本、要約 楽しかったです
2020/06/09
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