冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書)
冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書) / 感想・レビュー
鉄之助
今なお残るCMの傑作、「くしゃみ3回、ルル3錠」(元・三共製薬)「ワ、ワ、ワ、ワが3つ」(ミツワ石鹸)などCMソング制作の元祖・三木鶏郎の初の評伝。中でも、音を重ねてリズムを作る、仁丹の「ジン、ジン、ジンタン」の制作過程が面白かった。著者・泉麻人によれば、映画「君の名は。」でヒットを飛ばしたRADWIMPSの歌詞「ゼン、ゼン、前世から~」も、この系譜をなぞっている、との指摘が秀逸。しかし、私にとって本文の登場人物になじみが薄く興味を引かない部分が多くて、他は期待外れだった。
2022/12/21
名無し
すぐには曲が流れてこないけれど、耳にすればあれもこれもそうだったのかときっと沁みるのだろう。
2023/05/18
Roko
子供の頃、ラジオやTVで三木鶏郎の曲を聞かない日はありませんでした。どれだけたくさん作ったんだろう?って思うくらい。今思い出せるだけでも、「ジンジン仁丹、ジンタカタッタッター」「船橋ヘルスセンター」「ワワワ、輪が3つ、ミツワ石鹸」「牛乳石鹸、良い石鹸」「くしゃみ3回、ルル3錠」「サンヨー・カラーテレビ」「江崎グリコ」などなど。今でも歌える曲がたくさんあります。面白い音楽、コント、日本のそういうジャンルのすべての原型を作った三木さんのことを、これだけ調べつくした泉さんの熱意は大したものだと思います。
2019/11/10
ほたぴょん
戦後、ラジオなどを舞台に世を席巻した三木鶏郎だが、僕も名前くらいは知っている程度で、演者としても活動していたこと、永六輔や野坂昭如、三木のり平らの師匠格だったことなどは全然知らなかった。サブカルチャーというのは後になると系統が見えにくいところがある。そう言われれば、三木のり平の桃屋のCM、「受験生 夜食の時間も 共通一時(ごはんですよ)」なんていうのはトリローの超ショートコントそのままだなあ。都会的で洗練されたコント・芸能の戦後における祖なのだろうと考えると、泉麻人とトリローの親近性もわかる気がした。
2022/12/06
ワンタン
レコードコレクターズを読むような大学生となって、CM音楽の巨匠ミキトリローという名前を初めて知った。子どもの頃ソノシート(!)で聞いた鉄人28号の主題歌の作者だということも知り、意識するようになった。この本は、丹念に三木鶏郎の足跡をたどった労作。泉麻人って新聞や雑誌のコラムでしか知らなかったが、こんな地道な仕事もする人だったんですね。混沌としていい加減な、しかし活気にあふれた、戦中から戦後にかけての日本の世相が様々なエピソードからうかがえて興味深かった。音楽的な分析がもっとあれば、更によかったのだが。
2019/10/07
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