日露戦争: もうひとつの「物語」 (新潮新書 49)
日露戦争: もうひとつの「物語」 (新潮新書 49) / 感想・レビュー
zag2
半年前には想像もしなかったロシアのウクライナ侵攻ですが、さてそのロシアと日本の関係はどうだったのか、時代を遡って日露戦争について読んでみました。当時のロシアも領土拡大意欲が強く、十八世紀後半から既に日本人が住んでいた樺太や千島に十九世紀になると進出するようになり、徐々に日本側が譲歩させられていったようです。民族の性向は簡単には変わらないということでしょう。日本人が歴史にしても、世界情勢にしても、客観的な理解が不得手で、マスコミの感情的な議論に振り回されがちなのも変わらないようです。
2022/06/09
マリリン
報道・文学等を通じて日露戦争の側面が記されているように感じた。現在もそうだが、新聞報道は物事を一つの角度からしかとらえていないという事は肝に銘じておきたい。乃木希典は戦下手な将軍のような事が読了済みの本に書いてあったが、本書では人情味あふれる人物像を感じる。徴兵義務を逃れる為北海道に渡った夏目漱石や、当時の石川啄木・田山花袋・ジャックロンドン等の記述も興味深い。資金不足の中、戦争突入の裏にはアメリカの存在が見え隠れする。
2018/09/06
nizi
日露戦争時に国内ではなにがあったかを、主に当時の報道状況から見た本。興味深かったのは開戦後に敵国を知ろうとロシア語の独習書が増えたという点。太平洋戦争の敵性語排斥と正反対だが、一方で「露探」が一人歩きし、夫婦喧嘩で夫を露探と罵ったら聞きつけた警察が来たというのちに繋がる雰囲気が垣間見える。
2024/03/22
中島直人
(図書館)読了
2022/05/11
スズツキ
戦時中というと言論統制の感が強いが、庶民のいわれのない噂によって迫害された人物の壮絶な人生などは目を見張る。与謝野晶子の弟に送った詩は有名だが、当人は後方支援部隊で危険はほとんどなく、その後帰還を果たしているし、そもそも作戦自体参加したのかさえ疑わしいみたいなので、この事実誤認は人によっては秘密にしておいた方がいいのかもしれないなぁ。
2015/01/28
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