妻に捧げた1778話 (新潮新書)
妻に捧げた1778話 (新潮新書) / 感想・レビュー
鉄之助
妻がガンを発病し「妻の余命いくばくか」を宣言された筆者は、それから毎日、彼女のために読ませる短編(原稿用紙3~6枚程度)を、亡くなるまで書き続けた。まるで、「千日回峰」のようだったと著者自ら語る。まさに、修行! 読むほうは、結末=愛妻を亡くす瞬間、を知りながら読むのだから、「早く読みたい気持ちとじっくり味わいたい気持ち」が交錯した。著者の結論。「少し長いあとがき」で語られた「共に生きていくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ」が、いつまでも私の心に響いている。
2024/08/17
おしゃべりメガネ
『アメトーク』で紹介されていた作品で、手にとりましたが深く深く考えさせられる作品でした。余命宣告を受けた妻に果たして自分が一体、何ができるのか。自分ができる精一杯のコトを長年連れ添った妻にしてあげたいというキモチの温かさが、素晴らしかったです。最後の最後、あの記述は涙なしには読むことのできない最高のクライマックスです。妻を病で亡くす話は少なくありませんが、エッセイの箇所が何気なくサラリと綴っているようで、実は相手を思いやる深い愛情が溢れています。本作との出会いは夫婦間にとって、本当に大きな感動を与えます。
2017/11/19
きみたけ
著者は大阪芸術大学教授で小説家の眉村卓先生(2019年没)。2004年初版で、2011年に草なぎ剛・竹内結子主演「僕と妻の1778の物語」として映画化され一次ブームとなりました。その後「アメトーーク!」でカズレーザーが「15年ぶりに泣いた!」と絶賛し二次ブームが起こっています。この本は、著名なSF作家が癌で余命1年余を宣告された妻のために日記のように書いたショートショート。もし自身が同じ立場になったら病床の奥さんに何をしてあげられるのだろう、、ただ傍にいて話し相手になるくらいかな。泣いてまうやろな。。
2022/06/28
青乃108号
読んだ。残念ながら、何の感情も沸いてこない。もっとこう、泣かされるかと思ったのに。まず、この人は話の運び方がうまくない。ポイントではない話の枝葉の部分が多くて長い。もっと端的に書いてもらいたい。そして、妻の為に1日1話ずつ書いたとされるショートストーリーが、どれもこれも絶望的につまらない。これを本当にプロの作家が書いたのかと疑う程に。話にひねりもなければオチもない。単なるエッセイばかりではないか。これは出版して世に出す類いの書物ではない。自費出版で身内に配って、身内に読んで貰えれば十分だと思うが。
2022/01/20
海猫
再読。
2011/02/22
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