怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書 78)
怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書 78) / 感想・レビュー
姉勤
これも一時期流行った「〜は何故〜なのか」系と思いきや、玉石混交の玉の方に思う。表題に反して初めは”おっぱい”の話から。赤ちゃんがミルクを欲する口の形から発せられる自然な音のイメージを皮切りに、K,S,F,T,N,Mなどの子音が持つ、言語や人種を超越した人類共通の感覚(クオリア)と受ける印象を、独自研究で解説していく。人名や商品名などの身近な存在も、発音する際の響きと、語感によって自然に似合うようになっている、と。この感想も、使う名詞、語彙の選択によっては、同じ内容でもイメージは大きく変わってしまうかも。
2019/02/10
たみ
言葉の意味をひとまず横に置いておいて、音の印象を考察した本。口の中の舌の動きや空気の速さ、肉体の感覚で音の印象(空間の広がりなど、質感・クオリア)が変化する。Sで爽やかに、Tで確かさを、Hで解放、Nで慰撫されて、Kで鼓舞しているとな、ほほう…。擬音・擬態語の話にはナルホド~と納得。著者独自の擬音・擬態語が小説に出てきた時、使ったこともないのに情景が浮かんでうっとりするのってこれの効果かも。外国語を使えないので日本語人の優位性は「?」だけど、日本語をもっと味わおうと思った。クオリアを頭で理解するのは難しい。
2015/08/01
ふろんた2.0
音声が持つイメージからそのものの印象を判断していく。こじつけ感があるが、なるほどと思える部分もあり、コミュニケーション術としてこの言葉選びが活用できるとも思った。
2013/11/19
はーごん
「川と沢では、沢のほうが浅い印象を受けるのはSの音が表面をなでるような印象を与えるから」といった、音のクオリアについて書かれた本。英語にも何となく日本語っぽく聞こえる単語があったりするのは、やっぱり音が与える影響は万国共通ということなのでしょうか。ただ、人工知能の学者さんという割には科学的根拠が少ないような気がしたので、イマイチこじつけ感が取れないのが難点ですね。
2015/05/13
KJ
言葉の三要素は意味と文字と音だ。文字を視覚で捉え意味を理解する。一方で聴覚で捉えた音の刺激は意味以上の影響を意識に与える。空気の流れや唇の振動など言葉を発する時の物理現象は生理感覚と密接に結び付く。人は音から快感を得る。快感とは生命維持の為の誘導装置であり気持ち良い言葉は自然と使いたくなる。音の持つイメージを的確に掴めれば強力な武器に成り得る。反面対象と言葉の間に相性の不一致が有れば理想の成果は上がらない。車にビールに化粧品等々各自に適した音が有る。新選組は見廻組より明らかに爽快だ。言葉の響きは侮れない。
2021/09/28
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