SF魂 (新潮新書 176)
SF魂 (新潮新書 176) / 感想・レビュー
oser(読書家ではありませんドクシャーです)
エネルギッシュな人だよなあ。 今でこそマルチな活動をされる作家さんは多いが、その走りだったんじゃないのかな。 SFならばなんでもできるという感覚。 戦中戦後の経験、震災の衝撃という体験。 この点が小松さんの大きな軸になっているのは間違いなく。 つねづね日本産のSFは野暮ったさ泥臭さがテイストとして匂うなあと思ってましたが、(コレはコレで大好物だが) 和製SFと海外SFの違いが日本という敗戦国が経験した思想・観点に如実に現れていると思うと…なるほどと腑に落ちました。 うーむSFのなんたるかを知った思いです。
2023/04/25
おたま
デビュー前の学生の頃や父親の会社が倒産して苦労した話。そして、ついにSFマガジンとの出会いから、SFというジャンルの巨大な可能性に気が付くまで。この辺りが面白い。そして、SF界の多彩な人々との付き合いやSFが世の中に認められて幅を広げていく時。その中心にいて、「日本SF界のブルドーザー」として勢力的に作家活動をしたのが小松左京だった。処女長編『日本アパッチ族』から『日本沈没』が書かれた頃の話が読みごたえがある。かつて読んだことのあるエピソードもいくつかあるけれど、やっぱり小松左京は凄い作家だったと思う。
2021/01/16
akira
図書館本。 なかなか興味深かった。戦争を経験し、終戦から後を生きてきた著者。日本SFの黎明期や万博に絡む話など興味は尽きない。加えて数々の作品の裏話は読者にとってはご褒美かも。 『もし、1945年に終戦を迎えていなかったら?』発想の原点に起こらなかった歴史がある。ヒストリカル・イフ、これも作家さんの発想の原点と思うと面白い。 「SFとは思考実験である」
2019/09/28
緋莢
2006年刊行。『SFマガジン』創刊号、巻頭に掲載されていたロバート・シェクリイ「危険の報酬」に<目を引っぱたかれたような思い>がして、“SF”という文学の手法を意識。自分の中の“戦争”にけりをつけた『地には平和』を執筆、唯一の娯楽だったラジオが壊れてしまい、寂しそうだった奥さんのために毎日十五枚ずつ書いた「お話」が後の『日本アパッチ族』だった等、興味深い話が多数出てきます(続く
2020/12/16
ぜんこう
小松左京さんのSF半世紀(2006年時点)。戦後の世代って、オリンピックや大阪万博あたりって、うらやましいくらいに無茶苦茶働いてたんですね。今はSFは普通に受け入れられてるけど、当初はそうではなかったとか。きっと小松左京さん、やり残したことがいっぱいありそう。もしかしたら小松左京さんが存命な世界がパラレルに存在して、今も執筆などバリバリやってたりして(^^)
2014/01/18
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