マユツバ語大辞典 (新潮新書)
マユツバ語大辞典 (新潮新書) / 感想・レビュー
姉勤
狐狸が人を騙す時、対象の眉毛の数を数えるという(原理は知らず)、それを防ぐため、眉に唾を塗り、数がわからなくするという(同)。転じて如何わしいもののたとえとして使われるマユツバ的ことば。読んでみてわかるが、本書こそ、そのマユツバにふさわしい代物かなと。時々の特に政治家やメディアの発した言葉を皮肉りながら、箴言めいたものを宣い戴きますが、嗤った対象と同じ言葉とやり口を継いでいることに、気づいているのかいないのか。文章からはアンニュイも照れも全く感じ無いし、釈明的あとがきもなく、やっぱり真性、らしい。
2015/09/14
Humbaba
テレビでよくある,誤解を招く表現で,という言い方.これを素直に読めば,誤解をした読者(視聴者)が悪いという感じがする.しかし,実際には“誤解”以外は不可能な表現や,わざとそう読めるようにしたとしか思えないものばかりである.このような表現が許されて良いはずがない.
2010/11/14
Humbaba
綺麗で耳に心地よい言葉は,実は毒かもしれない.相手の言葉だけではなくて,それがどのような意図で選ばれたのかまで考えなければ,まんまと相手の思惑に乗ってしまうことも少なくない.
2011/05/22
雀
★★☆☆☆ 時事的な出来事について、著者が眉唾語と考える言葉と絡めながら語っているエッセイ。図書館本。
2017/05/05
朝吹龍一朗
辛口の現代時評を、著者らしい「言葉」の態様にかこつけて語る。 「『化』は『化け物』の化(中略)合理化、民主化、正当化、近代化など、「--化」の類はおおかたマユツバ語(後略)」 「温暖はいい言葉なのに、それに『化』の字が一字つくと、(中略)たちまち悪玉になる。 その通り、そのとーり。 朝吹の友人のヨーロッパ人は朝吹との会話の中に聖書関係の語句を使うことが滅多にない。逆に朝吹のほうが使うくらいだ。しかし、著者の紹介する「よみうり寸評」によるとそれは、 「欧米人が聖書の結構な文句を引く時は、自分が失敗した
2010/01/10
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