ジブリの仲間たち (新潮新書)
ジブリの仲間たち (新潮新書) / 感想・レビュー
れみ
ジブリの鈴木敏夫さんによる、これまで関わってきた映画の宣伝と広告についての本。経済とか企業を扱った堅いめの本と同じくらいの中味はあると思うんだけど印象深いジブリ作品が世に出る舞台裏で宣伝が進められていく様子が語られるのでワクワクしながら興味深く読めた。あれだけヒット作が続いても次の映画を作るためにこの映画の宣伝を一生懸命やるという部分を見失わず貫いてこられたところや前に当たった方法に固執しないでその時々に一番ふさわしいことを考えてこられたところ、言うのは簡単だけど案外難しいことだからそこが凄いと思う。
2016/08/19
つねじろう
そうこの世に売れるものを作り出す事は並大抵の事じゃない。それは優れたアニメでも音楽でも映画でもパンケーキでも。広告宣伝は大事、成否はプロデューサー次第。その事は良く分かっていて彼の手腕も功績も認めるけど何処か好きになれなかった鈴木敏夫。でもナウシカから始まりとなりのトトロ、もののけ姫とその宣伝の舞台裏のドラマは何れも興味津々。2人の天才宮崎駿と高畑勲と五分に渡り合い、かつ周囲の人をどんどん味方に巻き込んでいくパワーとロジックの見事さには脱帽する。そう言う意味では彼も天才の1人であるという事かも知れない。
2016/07/16
chimako
鈴木さんが愛してやまないジブリの作品をいかに売り出したか。宣伝をキーワードにプロデューサーとしての仕事を語る。広告代理店やテレビ局、タイアップ企業とのやり取りなど興味深い。宮崎駿や高畑勲といった天才の横顔も垣間見れた。でも、読みたかったのはそこじゃないんだよね...と個人的にもどかしい思い。鈴木敏夫さんは頭の回転が早くて出来る人なんだろう。ジブリでは次の作品を作るために造るために創るために興業収入にこだわる。それはわかるけど、鈴木さんしか知らないジブリの製作現場や監督たちの人となりを聞きたかったなぁ。
2020/02/18
akihiko810/アカウント移行中
2016年刊。ジブリのプロデューサー鈴木氏の回顧録。企画、宣伝、興行について時系列で語る。印象度A 映画はヒットさせねばならぬ。そのためには作品の力だけではダメで、出来うる限りの宣伝と配給のあらゆる手段を尽くさねばならない。鈴木Pの著書は本当に面白い。高畑監督「かぐや姫」も「回収ラインには届かなかった」と「やはり」というか反省と言うか、率直なところが述べられている。そして、「ポニョ」主題歌を歌った「藤岡藤巻」の藤巻氏。博報堂社員でありながら、「まったく働かない」のにそのキャラクターだけで愛され重宝される
2023/07/04
くぅ
まず何よりも何度も見ているはずのジブリ作品をまた見たくなった!宣伝・タイアップやスポンサー獲得、収益や観客動員などの視点で、鈴木さんからみたジブリの風景、ジブリの成長、ジブリの精神、ジブリの世界が描かれている。繰り返し見た大好きな作品の舞台裏を知れ、生まれるまでの成長過程に触れさせてもらえたようで何とも幸せな気分。あ〜子供の頃これを見せれば弟が泣き止んだんだよな〜とか、あっ!これは当時付き合っていた彼と公開初日にレイトショーに行った♪とか、懐かしい記憶にも触れることができた。面白かったし、読んでよかった!
2016/10/07
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