マイ遍路 (新潮新書)
マイ遍路 (新潮新書) / 感想・レビュー
nonpono
遍路の本を読んできたが、初めて自分が四国を歩いている姿を想像出来た一冊。筆者と年が一つしか違わないのもあるのか。筆者は四国札所の五十七番、栄福寺の住職。何箇所も空海の言葉がちりばめられていて、また面白い。読み進めていくうちに空海の言葉がどんどん、わたしに響いていく。「人は「わからない」からこそ祈り、この四国を歩き続ける」、この筆者の言葉が印象的。わたしも「わからない」ことだらけだ。わかろうとして迷走してばかりだ。人に迷惑をかけてばかりだ。だけど、「わからない」こそ、人生が奥深くなるんじゃないかな、なんて。
2024/08/15
ピンガペンギン
お遍路体験記、4冊目読了。タオル産地の今治市の札所寺院の僧侶による歩き遍路体験。泊まりは民宿、ビジネスホテルがほとんどで、美味しそうな夕食の写真と、寺院の写真(新書なので小さいけど)もある。私は、昔から京都のお寺を観光するのが好きだった。年取ってきて地元を見直す気持ちが出てきたのか、この本を見て大いにそそられ(?)ました。岩に張り付くようなお寺、すごい。人が巡礼に出るのは深刻な理由によることもある。不文律の一つに「遍路をしている理由を聞かない」というのがあるそうだ。著書多数の方でとても読みやすい。
2023/05/24
あまね
白川密成さんとお大師様と同行三人で四国八十八ヶ所を巡らせていただいている気持ちになります。密成さんのお人柄が伝わり、ご住職も凡夫の私のように心が揺らぐのだということにも共感しました。憧れている四国八十八ヶ所参り。歩き遍路はハードルが高いですが、憧れる気持ちが強くなりました。
2024/09/22
なにょう
よかったです。紀行文、遍路の体験談が好きです。だんだんと解放されていくのがいい。★雨に濡れて納経帳がだめになった。転倒した。道に迷った。「落ち着け」と自分で自分を叱ることもあった。でも、ここからまた始めようと、一歩踏み出す。一歩、一歩が積み重なり、四国一周を達成する。万歳。★装束の規定なんかはあるけど、各人がそれぞれのルールで巡礼できるのがいいな。団体様でも、徒歩でも、交通機関を使ってもいいし、全部回らないで、歩けるだけ歩くというのもいい。
2024/02/25
イチイ
自らも四国八十八ヶ所霊場札所寺院の住職である著者が、はじめての歩き遍路に出た経験を綴った巡礼記。自分自身の率直な経験から仏教について書いてきた著者らしく、率直で真っ直ぐに巡礼での経験について語るため、読みやすく飲み込みやすい。こちらも素直に、こんな形の信仰もあるのだなと思えるのはまずは著者の人柄によるものだろう。ちょうど久しぶりに山行が気持ちよかったこともあり、自分でもこういう旅をしようという気持ちになった。
2023/09/18
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