新潮日本文学 33 石川淳集 普賢 荒魂 焼跡のイエス 処女懐胎 堯舜 紫苑物語 艪、女始末 無明
新潮日本文学 33 石川淳集 普賢 荒魂 焼跡のイエス 処女懐胎 堯舜 紫苑物語 艪、女始末 無明 / 感想・レビュー
adhvanya
大江健三郎が漢籍の教養がある、つまり白文の素読をしていた世代の文章は、自分らの世代の文章とはまったく異質で自力が違う的な事を書いていたがまったくその通りだ。日本語の持つ粘り強さというか、一文一文の中に異様な生命のつながりを感じる。石川淳が最後だとしたら、こんな悲しい事はない。焼け跡のイエスが出色で、特に出だしの闇市から女の太腿へと続く描写が鮮烈な印象。自分には長編を読み込むだけの忍耐が欠けているが、短編は何度も読み返したくなる。
2011/06/23
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