芭蕉文集 新潮日本古典集成 第17回
芭蕉文集 新潮日本古典集成 第17回 / 感想・レビュー
ターさん
友人との読書会で『おくのほそ道』を読んだ。全文を読んで思うのは、今まで知っていたのは、ほんの一部分だったということだ。芭蕉のたった17音で表現する俳諧は、無限の創造の世界を生み出す。ただ、驚嘆するばかりだ。私の読んだこの本は、母の本棚から抜き取ったものだ。ずいぶん前から私はその背表紙を眺めていた。頁を開くと横線が引かれたり、メモ書きがある。母の蔵書を読むという行為。私にも少しばかりの蔵書がある。それを家族たちは手にすることがあるのだろうか。読むべき価値のあるものなどないよ、と言われればそれまでだけどね。
2023/02/02
ダイキ
「ただ釋阿・西行の言葉のみ、かりそめに言ひ散らされしあだなるたはぶれごとも、あはれなるところ多し。後鳥羽上皇の書かせたまひしものにも、『これらは歌にまことありて、しかも悲しびを添ふる』と、のたまひはべりしとかや。されば、この御言葉を力として、その細き一筋をたどり見失ふことなかれ。なほ、『古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ』と、南山大師の筆の道にも見えたり。『風雅もまたこれに同じ』と言ひて、燈火をかかげて、紫門の外に送りて別るるのみ。」(許六離別の詞)
2015/07/31
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