新潮古典文学アルバム 20
新潮古典文学アルバム 20 / 感想・レビュー
太陽
本書中で池澤夏樹氏は秋成について、「彼にとって大事なのは何よりもその時々の自分の思いに忠実にあること」と評す。秋成作品に垣間見える「直き心」「直し」という言葉が、そのまま秋成の生き様とも思い、秋成作品に没頭した自分自身の過去をも思い起こせた。高名な秋成研究者である長島弘明氏は、「ことばの魔力に、秋成は自覚的であった」と評す。「言霊」という考え方を大切にしたいと改めて思い至った。最後に『雨月物語』「青頭巾」中で秋成がとりあげた証道歌が鮮烈に記憶に刻まれる。「紅月照松風吹 永夜清宵何所為」・・・深すぎる。
2017/07/25
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