安部公房全集 1 1942.12-1948.5
安部公房全集 1 1942.12-1948.5 / 感想・レビュー
燃えつきた棒
小説は「分からないものだけが面白い。」という平野啓一郎の言葉に共感を覚えた。 僕にとってそうした存在は、小説で言えば安部公房であり、ベケットやヌーヴォー・ロマンの作家達であり、映画で言えばベルイマン、アンゲロプロス、タルコフスキーあたりだろうか。
2015/12/02
入江
こんな時代の安部公房もいたのだな、と。詩集を自費出版していたり、友人へ手紙を書いたり、とくに友人への手紙に彼の親切、というか友愛がにじみ出ている。借金したことや、引っ越した住所の手書き地図など、興味深かった。
2019/06/27
浪
安部公房全集の一冊目。評論、小説、詩、友に宛てた手紙などが集録されている。難解な持論を展開したかと思えば友に手紙で弱音を吐くなど、親しみのある一面も垣間見えた。それだけでも全集を読む価値はある。
2018/03/02
roughfractus02
実存/2つの孤立が彼に書くことを強いる。言葉を持つゆえに自然の外に立つ(ex-sistence)人間という存在は、同時に、生を侵食する言葉への違和感となって苛む。詩はそんな言葉を断片化させ、死に向かう人間の生を書くはずのものだった。が、高校・大学時代リルケとハイデガーを読んだ彼は、異言語飛び交う満州から帰国し、戦後の混乱の中で、自然から隔たり、死を拒否し、戦争を煽動した言葉との戦いを言葉において開始する。夜の、無名の、空白へ向けて。知人たちへの書簡、草稿、『終りし道の標べに』『名もなき夜のために』を収録。
2017/02/18
耳クソ
格が違う。しかしこれは違っててもいいタイプの格。
2019/10/19
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