安部公房全集 (007)
安部公房全集 (007) / 感想・レビュー
roughfractus02
寓話/東欧からの帰国後、フルシチョフのスターリン批判の中で彼は社会と思想に帰属していると見えなくなる外部の存在を知る方法の創出に向けて、トライアル&エラーを繰り返す。メロドラマの進行に笑いを交えるミュージカルズの実験では、踊りや音楽にも物語を多様化する偶然性の働く余地を与え、東欧体験とその後のハンガリー動乱を重ねた『東欧を行く』後の小説は、物語る内容と別のメッセージを伝える寓話(アレゴリー)形式が採用される。常識が外からの操作と維持で成り立つことはSF「鉛の卵」や「人間修業」「棒になった男」等で描かれる。
2017/02/18
星規夫
安部公房は思想と人生論との馴れ合いを否定する。確かに、超訳ニーチェのように哲学を安易かつ安直に自己啓発と結びつけるやり口は自分も大嫌いだ。しかし、人生観なくして思想を語ることは出来るのか、出来たとしても、それは無為、無味乾燥なものになってしまうのではないかとも思ってしまう。やはり自分は勉強不足だ。
2012/10/31
わとそん
おもしろい
2009/05/25
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