安部公房全集 10 1959.5-1959.9
安部公房全集 10 1959.5-1959.9 / 感想・レビュー
roughfractus02
ラジオと寓意/彼はラジオメディアでの異化を模索する。長編ラジオドラマ「ひげの生えたパイプ」は、父のいない寂しさにカビの生えたパイプを蹴るとパイプが話し出し子供の願いを叶える寓話だ。その際子供向けとも解釈でき、大人には性技を連想させる言葉にも取れるような、二重の意味のタイトルをスタッフが偶然思いつき、それをタイトルとして採用した。が、ラジオでの異化は困難を極める。演劇のように物語内の非実在物を実在の俳優に視覚化できないからだ。ラジオが強力なプロパガンダメディアなのは、同化ではなく同期を本質とするからである。
2017/02/18
わとそん
ふつう
2009/08/17
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