安部公房全集 18 1964.1-1964.9
安部公房全集 18 1964.1-1964.9 / 感想・レビュー
roughfractus02
非歴史/伝統へ回帰する三島や安保闘争後前景化する国家を前に、二君に仕え、国際法と外交での諜報活動によって国家を外から見た人物を主人公とした小説『榎本武揚』を書く。明治の最新の印刷技術を駆使して自らの存在理由を作る歴史と、そこから伝統なるものを引き出して閉域化させる国家に対し、この男は逸脱した人物として描かれる。映画シナリオ「砂の女」が書かれ、最後の日付が昭和39年の現在に更新される。日本国内に住む在日の人々や米国の黒人解放運動を取り込んで『他人の顔』も改稿され、顔を国家の政治が集中する「穴」として見せる。
2017/02/19
わとそん
おもしろい
2011/07/15
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