三島由紀夫全集 別巻 決定版
三島由紀夫全集 別巻 決定版 / 感想・レビュー
おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
『憂国』という作品は小説のものだし小説で読むべきなのは当然だが、これを映像化しようとたくらみ秘密裏に突貫撮影に挑んだ三島由紀夫とゆかいな仲間達のエピソードがたまらなくおもしろい。三島の死後三十年にわたり夫人が保管していた唯一のフィルムとのことで『憂国』はこの映像美と併せ観てさらなる昇華を遂げることが可能である。平岡公威が三島由紀夫としての死を選ぶに至った足跡をここに見た思いだ。市ヶ谷駐屯地での最期に彼が叫ぶも叶えられなかった無念に、刮目と静聴を奉じて厳かに臨みたい。
2014/03/11
南註亭
旧版全集と決定版、両方それぞれの総目次を作っていて、ふと、このDVDを観なおしました。この映画は小説とは違った位相にあるような気がします。28分の短編ですが、観おわったあとは長編を観たような気分になります。本作は「映画」の極北であり、闇夜の月でもあります。必見度 ☆☆☆☆☆ 5つです。
2011/03/03
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