小林秀雄全作品 (8)
小林秀雄全作品 (8) / 感想・レビュー
MatsumotoShuji
030516
再読。小林秀雄は、アランの他にも、ランボーの詩、ヴァレリィーの「テスト氏」など翻訳しているが、大体、自身の思想/関心に関連するものを訳している。アランについては、小林がベルクソンとの比較で名前を出されているのを読んだことがあるが、認識の枠組みを設定する悟性の機能、或いはその限界を語っている。「これが手だ」(中原中也)という「名辞」以前の世界への手触りの希求は、初期から一貫して問題にされているが、ランボーやヴァレリーと連続するものとして小林の中にはあたったと言えるかもしれない。
2023/08/12
感想・レビューをもっと見る