小林秀雄全作品 14
小林秀雄全作品 14 / 感想・レビュー
MatsumotoShuji
031123
わいこ
高校の授業で扱った
再読。古典への回帰。それは、別に小林に限ったことではない。ただ、保田與重郎が歴史(=古典)に寄りかかりながら「雅な」虚構空間を作り出していたのに比べると、小林の場合は、「子供を亡くした母親」に寄り添うように、歴史(=言葉)のその手触りを味わおうとしている。恐らく、その手触りは、幾ら慰撫をくり返しても、決して到達しない絶対的な「他者」としてある。モンテーニュではなく、パスカルにその可能性を見出そうとしているのにも関連している。
2023/08/18
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