小林秀雄全作品 19
小林秀雄全作品 19 / 感想・レビュー
MatsumotoShuji
040520
再読。ドストエフスキーの「『白痴』についてⅡ」が載っている。興味深いのは、小林秀雄のドストエフスキーについて(恐らく、ランボーについても言えるが)戦前から戦後に語り直された時、その相違性を考えてみるべきだろう。例えば、Ⅰの時は視線が主人公であるムイシュキンにほぼ中心的に論じられていたが、Ⅱではレーベジェフ、イッポリート、イヴォルギン将軍という脇役を中心に論じられている。むしろ、Ⅰを脇役たちから逆向きに論じることで、ムイシュキンを語り直そうとしているように見える。
2023/08/22
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