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無償 (山本周五郎テーマ・コレクション)

無償 (山本周五郎テーマ・コレクション)

無償 (山本周五郎テーマ・コレクション)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1994-05-01
ISBN
9784106440328
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無償 (山本周五郎テーマ・コレクション) / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

映画化された「雨あがる」の他6編収録。最も好みは巻頭の「落ち梅記」敢えて2番目に好みの「裏の木戸はあいている」を。とある武家屋敷の裏木戸。鍵の掛かっていないその木戸を開けるのは、その日の食にも困るような貧しき者。塀の内側には銭の入った小さな箱。大金が入っている訳ではないが、困窮している者は木戸を開け、欲しいだけの銭を持っていくことができる。返す時も同様に、黙って木戸を開けその箱の中へ戻しておけばよい。この件を「隠れて金貸しをしている」と訴状受け、吟味を受ける高林喜兵衛。金貸しには当たらぬが、安易な施しは→

2015/06/07

剛腕伝説

無償の行為をテーマにした短編集。どの話も何度か読んだ事がある。『深川安楽亭』。乾いた文章で描く悪党の描写はとても恐い。そんな悪党共が無償の行為で若者に救いの手を差し伸べる。そのコントラストが見事。雨あがる、裏の木戸は開いている、落ち梅記他、流石、山本周五郎は、上手い。

2024/01/07

蒲公英之種

無償:見返りを求めない行為。どうしたって誰かに何かしてあげたら多少の評価は求めてしまうものだろう。子育てを無償の愛とか言うが自分の遺伝子を未来へ繋いで貰うという大きな報酬を得ていると思う。思い浮かぶのはウルトラマンや水戸黄門か。これだって「やってあげた」的な自己満足を得ているような気がする。無償とは難しい。見返りを受けない為には死ぬかしかないのではないか。まさに無償と一番に感じたのは「落ち梅記」。「雨あがる」と「裏の木戸はあいている」にも武士の生き辛さを感じ、どれも深みのある物語だった。

2021/09/29

山内正

矢張り突けている 三十半ばの男が 知らない墓に参る振りをし おいねと名前が裏に書いてある ふと目鼻のハッキリしないおつやの 顔が、連れて逃げてと言ったあと 捕まり代貸金次の女房になったと 後から足音が止まり女の声で お参り下さいましてと礼を述べる 五十過ぎの女がいた もしや繁二郎さんじゃ 娘が譫言でお名前を 何か約束でも 静かに頷くと、あぁ私が今どんなに 嬉しいかと もう少し働いておっ母さんと暮すと 思い迷ううち 腕を掴まれ半七と 違うと言い返す 横からこの人は 手代の繁二郎という方でと女が言う

2020/04/10

にゃーぷー

周五郎にどっぷり嵌まってた。

2009/03/12

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