山本周五郎長篇小説全集 6 栄花物語
山本周五郎長篇小説全集 6 栄花物語 / 感想・レビュー
たつや
何の知識もない私は、「全集の6巻ね」という程度で手に取ったけど、史実にもとずくないように驚くけど、江戸に近かった山本周五郎が書く人物の台詞は生き生きとしていて、テレビや映画以上にリアリティーがある。テンポも良く読みやすい。評判の悪い意次という歴史上の人物がいたことが学べたことが今さらですが収穫です。
2017/06/19
ジュール
耐えに耐え、施策を粘り強く進めて行く田沼意次。一方、旗本崩れの戯作者、信二郎、その親友の保之助、身を盗賊に落とす千吉、奔放なその子、遊女のふくと市井の人々が生き様も惹き込まれる。特に斜に構えながら実は真摯に生きる信二郎、保之助とふくの逃避行の場面等素晴らしい。 敢えて言えば意次の盛衰をもう少し前面に出せば。 巨匠に対しおこがましいが。
2023/11/06
お華
★★★★☆最近は、田沼さんは実は優れた人だったという話をよく見かけ、読みたかった一冊。
2014/03/02
訪問者
老中田沼意次の晩年の姿を描くが、真の主人公は青山信二郎とその子、そして河井保之助と藤扇、その4人の物語である。
2017/06/07
フィガ郎
映画「赤ひげ」や「雨あがる」でおなじみ、山本周五郎の長編小説。まず、題名が気になり、次に主人公が、賄賂政治の権化と云われる田沼意次であることが気になった。作者は、平安期の藤原政治を描いた同じ題名の物語を意識して、田沼氏の栄耀栄華を描いたのだろうかと思って読み進めてみたが、そうでわなかった。経済活動が盛んになってきた江戸中期の庶民や旗本たち、そして主人公田沼の生き様が、実に情緒豊かに映画でも見ているように描かれていた。題名の類以点については、ニ中方丁さんが解説で説明している。また、本の表紙の絵も趣深い。
2014/03/06
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