山本周五郎長篇小説全集 第十三巻 五瓣の椿・山彦乙女
山本周五郎長篇小説全集 第十三巻 五瓣の椿・山彦乙女 / 感想・レビュー
ジュール
五瓣の椿 久しぶりの再読。父の恨みを晴らす為、母やその浮気相手を次々と殺めていくしの。確かに非道な人たちだが、殺されるまで悪いか? 最後に実の父親は殺さずに、生かして罪の償いをさせる。 山彦乙女 武田家の復活を企てるみどう家の長女 登世。自由奔放な花世。人生の目的をみうしなう半之助。 スペクタクルな展開と半之助の悩みとが同時に進む。 大菩薩峠でも甲府の旧家が出てきたが影響を受けてるのか? 巻末の宮部さんの解説が秀逸。
2023/12/09
訪問者
「五辨の椿」は恐るべき緊迫感が全体を貫く、ある意味、山本周五郎らしからぬ傑作。「山彦乙女」は半之助と花世、特に花世の破天荒な魅力が際立つ、これも傑作。
2017/04/19
シンチャイナ
父親を非業な死に追いやった淫蕩な母とそれに関わった男に対する復讐劇、山彦乙女は意図が良く分からない。
2022/06/25
アンディ・ワイス
山本周五郎は重厚な書きっぷりと思っていたけど、ここではサスペンスと波乱万丈のインディジョーンズ風になっている。🙌
2021/06/12
デントシロー
今までと多少、作風が変わる。サスペンス的な作風である。「五瓣の椿」は人間の感情のもつれからくる肉親に対する復讐譚である。動機が少し薄い感じがするが周五郎が言わんとするところは理解できる。「山彦乙女」は「正雪記」の続編を思わせるストーリーである。5代将軍綱吉の時代を背景に武田家再興を企てる甲府一族の姫、登世と主人公、半之助の生い立ちに絡ませてたっけだけの財宝をもとに反徳川の勢力をサスペンス風に書いている。
2014/05/02
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